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仕事・人生

同じ障害があったら…ダウン症児を育てながら第2子出産 元スキー選手が明かした複雑な思い

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

自分が先に死んでしまったら… 障害児を持つ親が抱く将来の不安

未里:ただ、今でも将来を考えると葛藤や不安はありますし、夫や親族に申し訳ない気持ちもあります。もし私が早く他界して、子どもたち2人が生き残ったら……。1人はダウン症で、1人は心疾患があって、誰に面倒を見てもらえばいいのだろうと考えるんです。

アンナ:将来のことは本当に考えますよね。いろいろシナリオを考えて、子どもが嫌な思いをしないように準備をします。障害がない子どもたちも入学準備などすると思いますが、“物”の準備とかではなく……。

未里:環境の準備、というか……。

アンナ:そう、生活する上での準備ですよね。私の息子だったら「鉄棒の授業をする時にどう対処するか準備をした方がいいな」とか。たぶん、息子ができることは私が考えるよりも多いですが、親としては常に準備しておきたいし、工夫も必要だと感じています。

未里:そうですね。だから、私たちがいなくなってもケアしてくれる施設を探したり、貯金をしたり……。準備はしていたいと思います。

アンナ:未里さんは親族に申し訳ないとおっしゃっていましたが、私は逆に「息子の手を受け入れてくれないなら、親でも親戚でも縁を切るから」と宣言しちゃったんですよね(笑)。そうしたら、京都出身の母に「何やそれ! 受け入れないなんてあるか!」と怒鳴られました。

未里:すごい!(笑) 私の両親も孫が大好きで本当にかわいがってくれますが、私が申し訳なく思う気持ちが強すぎて。迷惑だとか負担だとか思っていないと分かってはいるのですけど……。

アンナ:親心ですよね。健常者として何も不自由なく生きてきた私の道と、いろいろなことを乗り越えて大人になっていくであろう息子の道を考えると、息子の方が圧倒的に傷付いたり悩んだりすることは多いと思います。それは親として、申し訳ないなという気持ちになりますね。ただ、どれくらい強い心を持った人になるのか、どれだけ人の痛みが分かる大人になるのかと、最近は楽しみに思えるようになりました。

レンくんに話しかけるミニっち(左)【写真:荒川祐史】
レンくんに話しかけるミニっち(左)【写真:荒川祐史】

未里:ミニっちは優しいですよね。レンは恥ずかしがっていますが、さっきも遊びに誘ってくれたり、ジュースを持ってきてくれたり。

アンナ:レンくんもこんなに優しい笑顔があるんだもん。きっと良い子になりますよ!

未里:顔がまん丸なので、性格も丸いといいなと思います(笑)。

<後編に続く>

◇須貝未里(すがい・みさと)
1988年生まれ、秋田県出身。アルペンスキー選手として活躍し、2011年から3年間は日本代表チームに所属。ワールドカップなどにも出場し、2014年の「全日本選手権」ではスーパー大回転で優勝した。同年に引退し、コーチやトレーナーとして活動。2019年にスキークロス日本代表の須貝龍選手と結婚。2020年に長男レンくん、2022年に次男コハクくんを出産した。

○取材協力:Roots+Wings Creative Studio

(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)

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