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どうぶつ

ドイツのペットショップに犬猫不在の理由とは 猫のお迎えに“バルコニー必須”の場合も

著者:島崎 英純

ペットショップで生体販売が可能なドイツ ただし厳格な条件が

 というわけで、ここからは本連載の主題である猫の話題に移ります。ドイツ・フランクフルトのアパートメント最上階に住む僕は今、「ドイツで猫と共生する」ことを目指して各種情報を収集中です。

 その一環として、前回は猫の脱走防止用の“猫網”を紹介させていただきました。日本の網戸のようなものが標準化されていないドイツの窓には、猫が室外へ出てしまうのを防ぐべくさまざまな対処策があります。それを知って、「猫を迎え入れる前段階で準備を施さねばならない」と肝に銘じた次第です。

 今回は、ドイツでどのように猫を迎え入れるのか、その方法や手段についてです。ドイツには日本と同じくペットショップがあります。また、そのようなペットショップで犬や猫などの生体を販売することも法律で禁じられてはいません。

 ただ、ペットショップで生体を販売する際は、ケージの最低面積や採光、通気、暖房設備などの各種条件が厳格に定められています。その基準を満たすためには多額の資金が必要になり商売として成り立たない事情から、特に犬や猫についてはペットショップでの販売行為を行っていないのが実情です。

ペットは保護施設やブリーダーから譲り受けるのが主流

日本の実家で暮らしている2代目の愛猫は、僕の部屋のパソコンチェアを寝床にしているようです【写真:島崎英純】
日本の実家で暮らしている2代目の愛猫は、僕の部屋のパソコンチェアを寝床にしているようです【写真:島崎英純】

 では、ドイツの人たちはどのようにして犬や猫との出会いの場を得ているのでしょうか? その主流は、本連載の第1回でも記した動物保護施設の「ティアハイム」、またはブリーダーから直接譲り受けるケースです。

 ティアハイムやブリーダーの情報は各種ウェブサイトで公開、またはペットショップ内の掲示板などに貼り出されます。譲り受けたい側はその情報で猫種や性別、年齢などを確認した後、直接連絡を取って譲渡の交渉をする形です。

 また、ティアハイムやブリーダーから猫を譲り受ける際は、飼い主側の生育環境が細かくチェックされることもあります。まず、ペット可の住居であるのは当然です。そこでさらに飼い主の職業や家を空ける頻度、場合によっては室内飼いの猫であっても外気に触れられるように網で覆ったバルコニーが必須という条件を課せられることもあります。

 今の僕の仕事のルーティンは、平日のほとんどが在宅ワーク、そしてサッカーの試合が開催される週末に半日、もしくは一泊の泊まりがけで家を空けるケースが多いです。

 日本に住んでいた頃も、一人暮らしで猫とともに生活していました。その時に得た知見や経験から、“いかにして猫にストレスを与えないか常に注意すること”が大切だと理解しました。そのため一泊する際は特に、友人やペットシッターさんのご助力が必須だと思っています。その点では、今の僕に親しいドイツの友人が何人かいるのは心強いですし、日本と同じくドイツでもペットシッターさんのサービスが確立されていることも確認済みです。

 その結果、最近の僕は友達とさまざまなブリーダーの情報をかき集めて各種精査、検討をしています。幼猫、成猫、性別、猫種、頭数など、項目が多数ある中で、今の僕にとって最も大事なのは、ともに暮らすことになる“猫様”に安心安全な暮らしをもたらすこと。そして、責任をもって“彼”あるいは“彼女”の一生を見届けることにあると思っています。

 だからこそ、日本とは多少異なるドイツでの猫との共生について、まだまだ勉強しなくては! したがってこの連載、まだまだしばらくお付き合い願いたく存じます。

(島崎 英純)

島崎 英純(しまざき・ひでずみ)

1970年生まれ。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画出版社刊)編集部に勤務し、Jリーグ「浦和レッドダイヤモンズ」を5年間担当。06年8月にフリーライターとして独立。18年3月からはドイツに拠点を移してヨーロッパのサッカーシーンを中心に取材活動を展開。子どもの頃は家庭で動物とふれあう環境がなかったが、三十路を越えた時期に突如1匹の猫と出会って大の動物好きに。ちなみに犬も大好きで、ドイツの公共交通機関やカフェ、レストランで犬とともに行動する方々の姿を見て感銘を受け、犬との共生も夢見ている。

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