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香港の水上レストラン無念の沈没 疑惑噴出でまさに伝説へ 「尋常ではない航路」報道も

著者:Hint-Pot編集部

ネット上には“陰謀論”の声も…香港が「ジャンボ」にこだわる独特の理由とは

 この他の記事には“陰謀論”を匂わせる内容もある。台湾のネットメディア「蘋果新聞網」は、沈没を伝える記事内で「計画的な“事故”だったのでは」というネット上の声も紹介。また台湾のケーブルテレビ局「TVBS」は、運営企業が行き先を明かさなかったことに疑問を呈する香港市民のコメントを放送した。

「香港01」も航路に関する記事とは別にネット上の声を伝えている。「裏があるのでは」とする声の根拠としては、行き先が伏せられていたことに加え、「ジャンボ」の船体構造と老朽化から海上航行に適しているとは言いがたい事実などが挙げられているという。ただし、いずれも「憶測の域を出ない」とした。

 こうした“陰謀論”が噴出する要因には、移転発表で言及された毎年平均で数百万香港ドル(数千万円)という高額の維持費がある。香港海事処が沈没に関する報告書の提出と調査のフォローアップを求めるとの意向を明らかにしているため、真相解明は今後も注目の的になりそうだ。

香港仔(アバディーン)の顔的存在だった「ジャンボ」【写真:Getty Images】
香港仔(アバディーン)の顔的存在だった「ジャンボ」【写真:Getty Images】

 また香港市民が「ジャンボ」にこだわる背景には、「香港の集合的記憶」がクローズアップされている近年の状況もある。この「集合的記憶」とは、1997年の返還からコロナ禍まで数々の波に翻弄された香港が、これまでを振り返った時に“思いの拠り所”となる建物や場所などに使われる言葉だ。

「ジャンボ」はその代表格であり、水上で輝く姿はまさに、無数のネオンに彩られていた好景気時代の香港を凝縮したようなものだった。そんな存在の沈没を香港経済の低迷と重ねる悲観的な声もある。しかし何にせよ、あの巨大で豪華な“やりすぎた船体”はもう戻ってこない。

 突然の休業発表、再起を目指した2年間、涙の船出、そしてドラマチックな沈没から陰謀論によるサスペンス展開と話題満載の「ジャンボ」。“人目を引きつける”という役割を最期の瞬間まで立派に果たしたと言える。そして最後は船としてのアイデンティティを取り戻し、海底で静かな眠りについたと考えると……やはりファンの頬には涙が伝ってしまうだろう。

(Hint-Pot編集部)

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