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タワマン住人、やめました 災害を機に引っ越した40代女性の葛藤と選択

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

タワマンの高層階は将来を見越して検討したい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
タワマンの高層階は将来を見越して検討したい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 免震・耐震構造で建てられ、地震や災害に強いとされていたタワーマンション。しかし、想定を超える大規模な地震や台風などの災害の頻発で、時にはその「高さ」がネックになることもあるかもしれません。今回ご紹介するのは、地震をきっかけにタワマンから引っ越す決意をした女性の話です。解説やアドバイスは、不動産のプロ、中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんです。

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タワマンで東日本大震災に遭遇 階段で買い出しへ出ることに

 お話を伺ったのは、関東某所のタワーマンションに賃貸で入居していた経験を持つ上園紗香さん(仮名・47歳)。お住まいだったタワマンは、駅から近く商業施設も充実。配偶者さんの会社の家賃補助があったので、金銭的に無理することなく借りることができ、上層階から海や夜景を一望する暮らしに「プライドを満たされていた」と振り返ります。

 気持ちが変わったのは、2011年の東日本大震災でした。

「あの日、風邪で学校を休んでいた娘とともに家にいました。ゆっくりと揺れるマンションの部屋で、抱き合って震えていたのを覚えています。揺れが落ち着いてきたところで、せめて安心できる場所に避難しようと思ったのですがエレベーターが止まってしまって動かず、エレベーターの前には人だかりが。この状態で娘を外に連れ出すのは厳しいと思ったので部屋に戻ったのですが、ちょうど買い物に行く予定の日だったので食料が乏しく、娘を置いて、買い出しに出かけることにしました」

 紗香さんは小型のリュック背負い、混雑する階段を時間をかけて下ったそう。そして最寄りのスーパーマーケットまで行ったものの臨時閉店に。そこで開いていたコンビニエンスストアに何とか立ち寄り、缶詰やカップ麺、総菜、飲み物など、リュックに入る範囲の食品を購入してマンションに戻りました。