Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

東京の老舗すき焼き店7代目が伝授 本当においしい「わりした」の黄金比

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:宮本 尚樹

ちょっとしたコツで家庭のすき焼きがワンランクアップ【写真:キッコーマン】
ちょっとしたコツで家庭のすき焼きがワンランクアップ【写真:キッコーマン】

白滝と肉の隣同士はNG? 春菊の位置やワンランクアップの肉の選び方まで

 すき焼きは、次のような手順で作るとおいしくできるそうです。

1、すき焼き鍋を熱し、牛脂を溶かして鍋全体になじませる
2、鍋の底が隠れる程度、少しだけわりしたを入れてひと煮立ちさせる
3、まず1人1枚ずつ、お肉を入れてわりしたに軽く泳がせるようにして火を通す。最初の1枚は卵をつけずにそのまま楽しむ
4、ネギ、焼き豆腐、春菊、白滝を入れ、わりしたを足す
5、肉を加える

 宮本さんによると、まず手順3に、わりしたがおいしくなるポイントがあるそうです。

「最初に肉を泳がせるようにして火を通すことで、わりしたに肉の旨味が溶け込みます」

 さらに手順4の具材の入れ方。ちょっとしたコツで具材がおいしくなるそうです。

「ネギの上に春菊を乗せるように入れると、春菊に火が通りすぎるのを防げて、ネギも蒸し焼きのように甘くやわらかくなりますよ。白滝とお肉を隣り合わせにするのはNGと思っている人も多いですが、お肉のかたさに影響はないので気にせずに。白滝はあらかじめアク抜きして使いましょう」

 むしろ、お肉がかたくなるのは、火の通しすぎだそうです。一度にすべてを入れるのはNG。

「すき焼きは煮込むのではなく、火が通る程度にさっと煮ることがポイント。一度に材料をすべて入れて煮るのではなく、手順の4~5を何回かに分けて食べ頃をいただきましょう。わりしたが煮詰まってきたときには、お水ではなく昆布だしを使うと、味が薄まらず、おいしさを楽しめます」

 最後にすき焼きの主役の「お肉の選び方」を聞きました。

「スーパーやお肉屋さんで、すき焼き用のお肉を選ぶときは、モモ肉とロース肉を半々くらいにするのがオススメです。モモ肉は安価で、ロース肉は筋が少なくやわらかいので、この2種を用意しましょう。価格、味ともにバランスよく楽しめます。肉の端に脂身がついている場合は、筋のところから切り落とすと、舌触りがよくなり家庭でのすき焼きがワンランクアップします」

 肉の盛り付けは、大きなお皿に。皿の面が隠れるように放射状に重ねて盛りつけると、本格的で華やかになります。見て、食べて、おいしい。新年を祝うごちそうに、ぴったりです。

(Hint-Pot編集部)