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「見えない障がい」を抱える26歳シンガーソングライターの願い 苦しみ続けた青春時代、音楽が生きる意味を教えてくれた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・砂坂 美紀

今、生きづらさを抱える人たちに歌に乗せて伝えたいこととは

地元・秋田県を中心に音楽活動を続けている【写真提供:大川ちさと】
地元・秋田県を中心に音楽活動を続けている【写真提供:大川ちさと】

 26歳になったちさとさんは現在、結婚をして3歳の娘と1歳の息子の母に。シンガーソングライターの活動を続けながら、マルチタスクが必要な育児も夫や家族と協力し奮闘しています。母親になったからこそ、「いっぱい迷惑をかけてきました」と一緒に向き合ってくれた母の大変さがわかるといいます。その思いは2025年2月にYouTubeで発表した、母親をテーマにした新曲「ねがい」の歌詞にも込められ、曲の最後では「あなたみたいな母親になるのが私の夢」と感謝のメッセージを送っています。

 小学3年生で2つの大病を経験、「見えない障がい」とともに苦しさを抱えながら青春時代を駆け抜けたちさとさんが今、生きづらさを抱える人たちに歌に乗せて伝えたいこととは――。

「自分が苦しい思いをしたからこそ、同じような障がいを持つ人に『自分らしく生きたっていい。やりたいことを、諦めないで』と伝えたい。私にとって歌でメッセージを発信することは、自分の生きる場所であり、価値があることなのかなって思います」

 今日も、ギターを抱えて、力強く歌い上げるちさとさん。大病にかかったときに支えてくれた人がしてくれたように、優しい歌声で多くの人の背中を押しています。

◇大川ちさと(おおかわ・ちさと)
1998年11月20日、秋田県生まれ。15歳でギターを始め、秋田県内を中心にシンガーソングライターとして活動。高次脳機能障害を持ちながらその障がいの認知度を高めるため、県内のイベントに出演。X(ツイッター/@CanpanmanC)やインスタグラム(chisato_anpanda1120)、YouTubeチャンネルのほか、障がい者施設や介護施設、幼稚園などを訪問し、音楽を通して自分の思いを伝えている。

(Hint-Pot編集部・砂坂 美紀)