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からだ・美容

更年期が膣内環境に及ぼす影響 「強い悪臭」は病の可能性も 注意すべきことを専門医に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:百束 全人

黄色や血が混じったおりものにも要注意

 このような感染症だけでなく、更年期は女性ホルモンの低下によって、膣が萎縮し炎症する「萎縮性疾患」が挙げられます。症状としては膣の乾燥感、違和感、刺激症状などがあり、細菌感染を合併すると、黄色の膿性のおりものや悪臭を伴います。この場合は適切な抗生剤による治療が必要です。

 また、おりものに血が混じる場合は、子宮頸がんや子宮体がんの可能性も考えられます。異常なおりものが出ている場合は、医療機関を受診しましょう。

膣トラブルを防ぐために日常でできることとは

 日常では、免疫力を高める生活習慣を心がけましょう。たとえばストレス管理、栄養バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠などが挙げられます。リラックス効果が高まる温泉浴などもおすすめです。

 膣内やデリケートゾーンの洗いすぎにも注意してください。気になるからといって、ビデなどで膣内を過度に洗うのは良くありません。洗う際は、pHが整うデリケートゾーン専用のソープを使い、通気性の良い綿素材の下着を選ぶなど工夫しましょう。ナプキンやおりものシート、吸水パッドなどを使用する際は、こまめに交換してください。

 日頃のケアと早めの対応が、膣トラブルを防ぐカギです。気になる症状があれば、ためらわず専門医に相談しましょう。

(Hint-Pot編集部)

百束 全人(ひゃくそく・まと)

医師。東京工業大学在籍後、直接人の役に立ちたいと医学の道を志し、2012年に日本医科大学医学部に入学。2018年に同大学卒業。医師免許取得後、会津中央病院での臨床研修を経て、日本医科大学武蔵小杉病院勤務で泌尿器科を学ぶ。その後、水道橋スクエアクリニック勤務で皮膚科診療を経験し、2024年より皮膚・泌尿器科領域での性感染症内科ペアライフクリニック勤務。現在に至る。