インタビュー

アグネス・チャンさん 3人の子育てで実践してきたこと 「子どものために何を優先すべきか見極めることが大切」

著者:Hint-Pot編集部・風間 久志

タグ:

子育てについて話すアグネス・チャンさん【写真:河野優太】
子育てについて話すアグネス・チャンさん【写真:河野優太】

子育てにおいて一番うれしかったのは子どもが生まれた瞬間 一番大変だったのもお産

 自らに対しての時間を削り、子どものことを何より優先させるほど子育てに力を入れ、子どもたちに愛情を注いできたアグネスさん。子どもを育てていく中で、一番うれしかったことや、一番大変だったことは何だったのか?

「一番うれしかったのは生まれた瞬間。元気に生まれてきてくれたことが何よりうれしかった。その感動は一生忘れられないです。ただ一番大変だったのも『お産』。つまり私にとって『お産』は、すべてのご褒美と全ての困難を乗り越えたということになるんです。でも、子育てをしていくうちに、少しずつその喜びと困難を忘れていってしまうんですね。だから世のお母さんには、そのことを忘れないでほしいんです。もっと自分を褒めて、励ましてください。赤ちゃんが生まれた時の瞬間、赤ちゃんを初めて抱いた時の喜びを忘れないでと。そうすると、子育て中に経験する色々な挫折とか、くじけそうな時にも勇気が湧いてきますから」

 今までに出版した著書の中でも「3歳までにさまざまな刺激を与えることが大切」という話をしてきた。新著では「3歳までを笑顔で過ごすことの大切さ」について触れているが、子を持つ親としては、具体的にはどんなことをしたら良いのか気になるところだ。持論は次の通り。

「実は3歳くらいまでは、歩く、しゃべるなど『無意識』で覚えることが多い。そして『無意識』のうちに覚えたことって修正するのが難しいんです。この『無意識』のうちに、寂しい思いをさせていたり愛情が乏しかったりすると、そういう記憶が残ってしまうんですね。なので、できるだけたくさんの楽しい思い出を『無意識』のうちに詰め込んであげると良いかなと思います。それはごく日常的なことで大丈夫で、抱っこしてあげる、頭を撫でてあげる、かけっこをする、天気がいい日は外に出て『お花がきれいだね、鳥が鳴いてるね』とか会話する……。すごく簡単だと思いませんか? 生きていることの素晴らしさや楽しい思い出を、『無意識』のうちに詰め込んであげればいいんです」

 アグネスさんは、そんな“無意識”のうちに詰め込んであげると良いものとして「料理」がおすすめだという。1つの食材でも手を変え品を変えることで別の料理になる。いろいろなものを食べさせることこそ重要だと語る。

「私は料理ってとても大切だと思っていて、無意識のうちにいろいろなものを食べさせ、いろいろな味を覚えさせ、3歳までに丈夫な体を作る。『病気をしない』ということは子育てにおいてとてもストレスがないことです。そういう土台作りとして3歳というのを1つの目安にすると良いと思います。もちろん3歳までにやっておかないといけないとダメということではありません。何歳になっても楽しい思い出は与えてあげてほしいと思います」

 アグネス流子育てで3人の息子たちは健やかに成長して、アメリカの名門大学へ。次回は個性の異なる子どもたちへの接し方や受験の勉強法などについて聞く。

◇アグネス・チャン
1955年香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1989年米国スタンフォード大学教育学部(博士課程)に留学。1994年教育学博士号(Ph.D)取得。1998年日本ユニセフ協会大使に就任。2016年ユニセフ・アジア親善大使(地域大使)に就任。著書は「スタンフォード大に3人の息子を合格させた50の教育法」(朝日新聞出版)など多数。3月16日に「子供の一生を幸せにする24の食育術」(ぴあ株式会社)を出版。アグネス・チャンオフィシャルブログ「アグネスちゃんこ鍋

(Hint-Pot編集部・風間 久志)