育児・家族

「構造的弱者」への眼差し訴えた東大・上野千鶴子名誉教授の祝辞

著者:おおたとしまさ

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独りでは何もできない。だからみんなで支え合う。それが世の中

 特に終盤の下記部分は重要だ。東大生に限らずすべての“自称勝ち組”に対するメッセージであると私は受け止めた。引用する。

 世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと…たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。

〈あなたたちがここに来るまでに並々ならぬ努力したことは疑いのない事実でしょう。でもその前提として、いろいろな好条件が重ならなければ、ここにはたどり着いていないはず。たった紙一重でその前提が得られずに、不条理の中でもがき苦しんでいるひとたちがたくさんいる。それはもしかしたら自分たちだったかもしれない。だとしたら、自分の恵まれた環境や能力を、自分だったかもしれないひとたちのために使うのは、ひととして当然のことではないですか。でもあなたたちだって、たまたま幸運が重なっていまがあるだけで、本来的には弱い。独りでは何もできない。だからみんなで支え合う。それが世の中です。〉そういうメッセージだと私は解釈した。