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大坂なおみはなぜ大躍進? 子育てにも通じる“バイン流”指導法
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際立つバイン流、「あれは誰もができるものではない」
優しさ、包容力、寛容さがキーワードとなる“バイン流”指導。ドイツ出身の34歳はプロテニスプレーヤーとしては目立った実績がなかったが、コーチ転身後は女王セリーナ・ウィリアムズ(米国)のヒッティングパートナーを長らく務め、その後はビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、キャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)らを支えた。そして、昨年末に大坂のコーチとなった。
2016年にWTAアワード年間最優秀新人賞に選出されるなど、その潜在能力を認められながら、同年の40位から2017年は68位にランキングを下げていた大坂。それがなぜバイン氏のもとで一気に躍進できたのか。プロテニス選手でコーチ業も兼任する綿貫敬介(明治安田生命)はこう証言する。
「バインコーチは底抜けに優しい。そして、繊細さがあります。そして、選手の感情のマネジメントがすごくうまい。あれは誰もができるものではありません。落ち込んでネガティブな気持ちになった大坂選手を優しく、粘り強く励ます。あの言葉のチョイス。感情をコントロールする方法。人柄もありますよね。とにかく人間的な魅力がすごい。シャイで有名な大坂選手と信頼関係をあっという間に築きました。陣営にいてもらえるとすごく落ち着く存在になると評判です。バインさんの指導法は今後のテニス界のスタンダードになるかもしれませんね」
綿貫は現在、「錦織2世」と期待される、実弟で世界ランク222位の綿貫陽介(日清食品)のツアーコーチを務める一方、専修大学テニス部の指導者も兼務。また、自らのアカデミーで育成年代のエリート教育も行っており、育成年代の指導に携わる機会も多い。そんな綿貫は、伸び悩んでいた大坂の才能を引き出したのは間違いなくバイン氏の手腕だと断言する。