健康・美

健康寿命を延ばしたければ「階段を下りる」ー認知症予防に取り組む医師が解説

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:白澤 卓二

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速筋を鍛えて日常的に踏ん張る力を身につける

「筋繊維は性質と見た目からふたつに分類することができます」と白澤先生。「遅筋」と「速筋」といわれ、各筋肉に混在しており、各部位で比率は異なるのだそうです。

 ゆっくり収縮する小さな筋肉の「遅筋」は、長時間収縮ができるため日常的な動作によく使われます。そして、収縮速度が非常に速く、遅筋の2倍のスピード、1.4倍の強い力を発揮できる筋肉を「速筋」といいます。速筋は持久力は低いですが、座る、下りるなどのブレーキをかける動作で使われます。

「遅筋」を鍛えると、日常の動作が楽になり長時間使っても疲れにくくなります。「速筋」を鍛えると、動きが俊敏になるため身体がよろめいたときにさっと脚が出て、ぐっと踏みとどまることができます。転倒は寝たきりになるきっかけとなることが多いですが、鍛えられた遅筋と速筋は、転ばない身体を作るために大切なのだそうです。

特別なトレーニングは不要 階段を下りて健康寿命を延ばす 

「階段の上り下り」という動作を考えたとき、上るときは「遅筋」、下りるときは「速筋」が使われるのだそうです。「階段の上り下り」は、ふたつの筋肉を育てるのにとても効果的ですが、白澤先生は「下りる」ことがより大切だといいます。

 それというのも実は、前述した「ほとんど減らない筋繊維」のうち、多少目減りする筋繊維の大部分は「速筋」のため、速筋は意識して鍛えなければ、どんどんと失われていくのだそうです。高齢になって、動きがゆっくりになったと感じている方も多いと思いますが、それは速筋の減少が関係していると考えられるのだそうです。速筋は不足することで俊敏性が損なわれてしまうからです。

 白澤先生は「階段を下りるときは、あまり疲れないから大した健康効果はない、と思うのは誤り。疲れることと筋肉痛になることはイコールではありません。階段を下りる行為は、選出された筋繊維一本一本が必死に働き、着実に成長していることを覚えておきたいところです」と説明。

 無理をせず生活に密着した動作で、筋肉を鍛えることができるのが階段を「下りる」こと。「安全な階段の下り方に配慮し、ストレスなく健康な身体作りをしましょう。そうすれば、一日でも長く健康寿命を延ばすことができるでしょう」と白澤先生は解説します。

(Hint-Pot編集部)