インタビュー

親日国フィンランドで「イナゴの佃煮」がウケた 移住した30代日本女性シェフの暮らし

著者:Hint-Pot編集部・白石 あゆみ

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ポップアップショップで振舞った料理。左はウケの良かったイナゴの佃煮【写真提供:minori】
ポップアップショップで振舞った料理。左はウケの良かったイナゴの佃煮【写真提供:minori】

世界的なトレンド昆虫食

 シェフであるminoriさんは、世界的な食のトレンドにも精通している。実はフィンランドで開催したポップアップレストランで、好評だったメニューのひとつに「イナゴの佃煮」があるという。

 それというのも、昆虫は未来の食べ物として、世界的に注目されているのだそうだ。プロテインが豊富で環境にも優しい昆虫食は、セレブでも実践している人が多いのだという。

「新しい食べ物なのでどんな味か興味を持つ人が多いですね。シェフとしては、新たな料理を作る格好の食材。日本の伝統料理であるイナゴの佃煮は、多くの人がおいしいと言ってくれ、イベント中とても注目度が高い料理でした」。

海外移住をしライフワークを見つけたminoriさんに学ぶこと

 このようにフィンランドに移住したことで、“伝えていく”というライフワークにたどり着いたminoriさんだが、前回までで紹介した通り、お笑い芸人になったり、大学に7年間在学したりと、日本で一般的に言われる人生のレールから外れた進路を選んできた。その選択する際に、不安や躊躇はなかったのだろうか。

「怖さは全くありませんでしたね。自分で自分の人生をデザインしていくかということに一番重きを置いていましたから。22歳で新卒として働き始めるということに全く興味がわかず、3年留年してその間に留学を繰り返したり、専攻を宗教哲学、社会学、ジェンダー研究とコロコロ変えていた大学生時代は、自分はダメ人間だって悩んだりしたこともありました」

「けど、ちょっとはみ出ても自分が心地よく生きればいい。逆にレールからはみ出さず、安定した人生が好きならそれでいい。そう思うんです。何を大切にしているかは人それぞれ。自分のキャラクターや才能に合った人生の選び方をしていけばいいと私は思います」

 自分らしさを大切にし、人生を全力で楽しむminoriさん。今後は「食」だけでなく、多くの人にリーチできる「文字」でも、伝えていきたいと考えているようだ。
 
 今年中には、「健やかに生きる」をテーマにしたマガジンを、クラウドファンディングで資金を集め自費出版する予定だという。フィンランドの教育や、人生を変えた映画、きのこの見分け方、フェミニズム座談会など盛りだくさんな内容を企画中という。

「何もやってないと思っていないと思っていたけど、こうして振り返ってみると意外とやってるなぁ」

 と、最後にminoriさんは笑った。

(Hint-Pot編集部・白石 あゆみ)