インタビュー

「女性でラッキー」若手社長が語る女性の起業 海外経験はどう生きたのか

著者:Hint-Pot編集部・臼井 杏奈

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幼少期は海外生活 有名起業家を育てた「モンテッソーリ教育」とは?

 パーツケアブランド「マプティ」などを展開するロフス(lojus)の田中麻里奈社長。これまで恋人の病をきっかけに見つめなおした働き方と起業、そして6000万円の詐欺被害からブランドを立てるまでと聞いてきたが、常にポジティブで行動力があり、ビジネスの視点も冴えている。幼少期は海外で過ごしてきた彼女は、どういった教育を受けてきたのか。そして女性の社会進出が課題とされている日本での起業をどう考えているのだろうか。

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 2~6歳まで中国、そして小学3年から中学2年までをシンガポール、その後中学卒業までをマレーシアで過ごした田中社長。海外生活では、とある有名な教育法を受けていた。「モンテッソーリ教育を受けていました。端的にいうと好きなことをして、個性を伸ばす教育です。私は英単語のドリルと算数が好きで、ひたすらそればかりやっていました」。

 モンテッソーリ教育とは、グーグルの創業者であるラリー・ページ、オバマ元アメリカ大統領、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスなどそうそうたる著名人が受けてきた教育だ。日本では将棋の藤井聡太七段が幼稚園でモンテッソーリ教育を受けていたと話題になった。

 興味関心を引き延ばす、ということは、まず「自分は何をしたいのか」といった思考が必要になる。田中社長に働き方についての考えを尋ねると「女の子同士でいるとつい愚痴を言って、愚痴だけの連鎖になってしまうときがありますが、それでは幸せになれませんよね。必ず“自分はどうしたいのか”と自問自答することが大事」と語った。モンテッソーリ教育のように、まず自分を知ることは社会でも大事なことだ。

 しかし、自分の理想に向かって足を踏み出すのは勇気がいること。日本ではまだまだ女性の社会進出は課題で、田中社長のように女性が起業する例は多くはない。この点について不安はなかったのか、と聞くと「女性でラッキーだった」と笑顔をみせる。

「女性は特に細やかに気を配ることができて、人の心を読む力がある人が多いです。また電話をしながらパソコンをたたいたりといった同時作業をこなせる人も多いと思います。日本人であること、女性であることは仕事において大きな武器です」と力説する。何事もマイナスに考えるのではなく、ポジティブに行動してきたからこそ創業からたった4年でここまで事業を拡大できたのだろう。

「起業を勧めるわけではありません。自分がしたいことのために行動することができれば会社員でもいいと思います。何をしたいか知ることが一番大事なんです」。

 田中社長は今後の目標に雇用の拡大に続き、「マプティ」のアイテム数を拡大すること、そして今までの経験を伝えることを挙げた。「おこがましいことですが、人を幸せにするために生きていると思っている。誰かのために何かしていけたら」。飾る言葉ではなく、田中社長は「人のため」という言葉を繰り返す。その人間性こそが一番の成功要因かもしれない。

田中麻里奈(たなか・まりな) 1988年生まれ、30歳。パーツケアブランド「マプティ(MAPUTI)」など美容製品を扱うロフス(lojus)社長。父の転勤に伴い、幼少期をアジア各国で過ごす。帰国後、青山学院大学高等部に入学。青山学院大学 国際政治経済学部を卒業後はIT企業で4年間働き、2015年に起業し、現職。