暮らし

自由であるほどシンプルに 産後女性を救った心の整理術

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:鈴木 美香

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 妻として、母として、社会構成員のひとりとして――現代は、女性に求められる役割がとても多い時代。それぞれの役割に立ったとき、自分が勝手に決めた“世間の声”に思い悩んでしまってはいませんか。そんな方におすすめしたいのが「マインドマップ」。ビジネスのイメージが強い「マインドマップ」ですが、小・中学生男子ふたりのママであり、予備校講師、だっことおんぶの研究所の講師と、さまざまな顔をもつ鈴木美香さんは、「ママにこそぜひ取り入れてほしい」と語ります。鈴木さんは「マインドマップ」のアドバンス・プラクティショナーの資格を持っており、自身が運営するワークショップのなかで、積極的にマインドマップを生活にとりいれることをおすすめしています。「マインドマップをもう手放せない」と語る鈴木さんから、女性におすすめの使いこなし術をお聞きしました。

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描き心地がよくあまり重過ぎないスケッチブックと、カラーペンをまずは用意【写真:Hint-Pot編集部】
描き心地がよくあまり重過ぎないスケッチブックと、カラーペンをまずは用意【写真:Hint-Pot編集部】

出産後、自分の殻を破るのにひと役かった「マインドマップ」

 マインドマップとは、イギリスのトニー・ブザン氏が提唱した思考法のこと。紙とカラーペンを使って、頭のなかで考えていることを具現化します。その見た目は、くねくねと何本ものカラフルな枝が縦横無尽に広がり、とてもポップ。でもなんだか難しそうにも見えます。そんな一見、ハードルが高そうにも見える「マインドマップ」ですが、鈴木さんいわく「とても自由」なのだとか。
「マインドマップ」を知らない人は、箇条書きを使う方が多いと思います。箇条書きはとても便利ですが、実は無意識に優先順位が高いものから書いているつもりでバラバラになっていたり、字の大きさやイラストが罫線に縛られていたりします。それが「マインドマップ」を使えば、順番にも縛られず、文字の大きさや書く場所が自由に解き放たれるのだといいます。

「不思議なことに私の場合は、自由にしていいよって言われれば言われるほど、ものごとがシンプルになっていきました。一見、どんどんと増えていきそうに思いますが、逆に本当に必要なものが見えてきて、無駄なものがそぎ落とされていく感覚でした」

「マインドマップ」だけの影響ではなかったそうですが、続けていくうちに家のなかのものも減り、思考だけではなくて生活もがすっきりとしたのだとか。そして、そのきっかけは間違いなく「マインドマップ」だったのだそうです。

 男児ふたりのママでもある鈴木さん。仕事も家庭も両立し、素敵な笑顔が特徴的なはつらつとした女性の印象ですが、次男の出産後は家の中で悶々と過ごしていたといいます。それというのも、出産にあたり産前に退職。また、それまでは「働きにくいのは夫や社会のせい」、「こんな考え方を植え付けた親のせい」と人のせいにばかりしていたそうなのです。現在からは想像もつきません。また、 “母として”“妻として”してはいけないことを自分のなかで勝手に決め、世間が自分を縛っているのだと思い込んでいたのだといいます。

「0歳の子供がいて職もなかった頃、マインドマップの存在を知ったのですが、夫に講座を受けに行きたいとは言えませんでした。そんな価値は自分にはないと思い込んでいたんですね。でも、母に息子を預けて、お金も工面して、初めて受講したときに一歩前に踏み出す許可を、自分に与えられたと思いました。そしてそれが。私にとってとても大きな変化でした。紙とペンだけで、新しいことが始められるんだと思ったことで、自分のなかのいろいろなハードルが下がったんです」

 新しい世界が広がった鈴木さんでしたが、それからすぐに根詰めて学ぶということはなく、なんとなくつかず離れずな時間が過ぎていったのだそう。しかし、「マインドマップ」と出会ってから5年後、突然ふっと自分のなかで腑に落ちるような感覚を味わい、応用編であるアドバンス・プラクティショナーの資格をとることを決意します。