仕事・人生
27歳で6000万円の詐欺被害にも 女性起業家が語る挫折からの逆転
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100万人より10万人に必要とされればいい あえてニッチ路線を狙う
「マプティ」はパーツケアブランドで、バストクリームやデリケートゾーンの黒ずみケアなど現在は4アイテムを販売している。知人ら200人ほどにアンケートを取った結果、悩んでいる人が多かったのが胸とデリケートゾーンだったという。
「スキンケアのようなアイテムでは、大手美容企業が競合になってしまう。ニッチだけど需要のある、100万人は悩んでないかもしれないけど10万人は求めているものをやろうと思いました。稼げなければ周囲の人を幸せにできないし、私の会社の規模ではそのくらいの市場規模でよかったので」
しかし、その需要は国内にとどまらなかった。詐欺被害の際に知り合った中国人のバイヤーが、中国進出のきっかけを作ってくれたのだ。
「当時はインバウンドの中国人の“爆買い”に乗っかって売る会社も多かったです。けれど私は中国に足を運び、向こうのインフルエンサーに商品を説明して使ってもらうように頼みました。彼女たちはSNSに投稿するだけでなく販売もしているのですが、日本から女の社長が来て直接話すなんて面白いな、協力しようという感じで受け取ってくれて」
これをきっかけに中国で話題となり、展開を拡大。今や中国ナンバー1のECサイト「Tモール」にも旗艦店を出店しているが、これは中小企業では極めて異例のことだ。この評判からアメリカ、カナダなどの北米、シンガポールなどにも展開し、今後さらに東南アジアなどで展開していくという。
「失敗もすべて糧になっています」と晴れやかな顔で語る田中社長。その前向きなマインドはどこから来たのだろうか。次回は幼少期を過ごした海外と幼児教育スクール、そして女性の社会進出について話を聞く。
(Hint-Pot編集部・臼井 杏奈)