仕事・人生
日本人は気づきのエリート! 海外で重宝される“女将的スキル”とは
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海外に行くことをもっと気軽に!
今井さんは“気づきのエリート”のことを“女将的スキル”を持った人とも表現する。
「日本人の女性が当たり前にできる心配り。それはお客様に対してだけではなくて、一緒に働くスタッフにも向けられているんですよね。例えば、食器ひとつ並べるにも次の人が使いやすいように並べるとか、自分の仕事が終わっても次の人が困らないように考えて動くじゃないですか。外国では決まった仕事しかしないという方も多いけど、みんなでやっている仕事に本当はそんな線引きはできない。だって、それをしたら私たち日本人はどこか居心地が悪くないですか? ほかの人のためになにかしてあげたいと思い、今なにかできることはないかなと自然と探してしまうのが“女将的スキル”なんです」
海外に移住したことで、私たち日本人が当たり前のようにしている行動が、とてもプライオリティの高いことだと気が付いた今井さん。今ではたくさんの日本人に、ぜひ海外にも目を向けてほしいと思っている。
「昔はお寿司が握れる人が海外で仕事があったんですよね。私はぜひ“女将的スキル”も、以前の寿司職人のような形になったらいいなと思ってます。きちんとおもてなしができる、お客さんの要望の先を考えて動ける能力というのが明文化され、サービス業において必要なスキルとして認められれば、日本人はほとんど受かると思うんですよ。それが価値あるものとして世界で見直されていったら面白いなって思っています」
海外に興味は持ちながらも、なかなか最初の一歩を踏み出せずにいる日本人も多い。そこで、先に移住した身として今井さんに何かアドバイスがないかを聞いた。
「日本は島国なので国外に出ることはとっても大変なように感じますが、もっと気軽に考えていいんじゃないかと思います。何か特別なことができないと海外で活躍できないと感じられている方もいらっしゃるかもしれませんが、日々の生活の中で当たり前に培ってきた目に見えない能力が、海外で必要とされることもある。例えば空気を読むこと、それ自体が特別なこと。国内にいると気が付かないけれど、一歩海外へ踏み出したらすごく輝くスキルなんです。それに日本人って実はすごく打たれ強いなと思いますよ」
自分ではなかなか気が付かないことが、海外に出ると実は素晴らしいことだったりする。そんな新たな気づきも海外移住のひとつの魅力なのかもしれない。次回の最終回は、ジュエリーバイヤーの顔も持つ今井さんに聞く、「好きなことを仕事にすること」。そして、そんな今井さんが「理想とする」女性像に迫る。
(Hint-Pot編集部・白石 あゆみ)