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春のイライラ 薬膳葛湯でほっとゆるめる
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季節の変わり目に加えて、新年度などで環境が変わることが多い春。心地よく過ごすためには「ゆるむこと」が大切なんだそうです。ヨガインストラクターで薬膳フードデザイナーの村上華子さんに、今回は薬膳の知恵を綴っていただきました。
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新生活などのストレスで、春は「気」の流れが乱れたり滞たりしがち
うららかな春が、楽しみです。でも実は、中医学に基づく薬膳の知恵では、春が一年の中で一番「気」の流れが乱れやすい時期だといいます。なんだか残念ですよね…。その理由のひとつは、新生活や環境の変化、寒暖差や春風に舞う花粉の影響など、精神的、肉体的なストレスが多くなるからだと考えます。「そういえば!毎年春が憂鬱(ゆううつ)だ」「季節の変わり目は苦手」と思い当たる人は、心も体も“ゆるませる”ことが、元気の秘訣に。中医学では、人間の体内には「気:生命エネルギー、血:血液や栄養、水:体液」があり、これらの量が適切で、十分に巡っていることが健康の定義です。その気血水のバランスを整える食事法が薬膳なんですね。
さて、今回のテーマ「ゆるむこと」についてですが、ストレスなどによって心身が緊張すると、気の流れが乱れたり、滞ったりします。これが「気滞(きたい)」という症状。気は本来、のびのびと巡っているのが、健やかさの要なのですが、滞るとこんな症状が現れると言われています。
〇気滞の症状
イライラ、怒りっぽい、緊張しやすい、集中力がない、じっとしていられない、生理痛や血の塊が出るなどの月経トラブル、PMS、胸や脇の張り、肩こり、片頭痛、気分が落ち込む、不眠、ノドのつまりや息苦しさなどの違和感、ゲップ、ため息、おならが出るなど。
ほとんどが「流れずに詰まった状態」から派生した不調が多いんです。さらに、春は暖かい陽気が立ち上ることで、体内の気も上がりやすくなります。流れを見失った気が頭部に突き上げてくることで、のぼせたり、イライラしたりと、頭に血が上った感覚になることも。