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サンマの内臓は食べるべきか 寄生虫を処理する方法も 栄養士が疑問を解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
内臓がおいしい理由は「無胃魚」
しっかり焼いた新鮮なサンマの内臓は、苦手でなければぜひ食べてください。内臓にはレチノール(ビタミンA)が多く含まれています。レチノールには、目の健康や皮膚、粘膜を強くし免疫機能を高める働きがあります。
また近年は化粧品の成分にも使われ、美肌にも注目されています。その他、ビタミンB12や鉄も含み、貧血気味の人におすすめです。もし鉄の吸収率を上げたい場合は、ビタミンCと一緒に。大根おろしや柑橘類の絞り汁と一緒にいただくと良いでしょう。
サンマの内臓は、他の魚と比べて苦味がなく、奥深い味わいが楽しめます。その理由は、サンマが「無胃魚」であるからです。胃がないので、食べたものを短時間で消化し、排泄します。加えて、サンマの「食」の習性。日中にプランクトンを食べますが、夜は何も食べません。サンマ漁は夜間に行われるため、獲れたサンマの内臓は空っぽの状態なので、おいしくいただけるのです。
新鮮なサンマの見分け方としては、黒目の周りが透明で澄んでいて、口先と尾が黄色いものを選びましょう。腹が太くてハリがあるものがおすすめです。
水産庁が2022年7月29日に発表した今年度のサンマ長期漁海況予報(道東~常磐海域)によると、漁期(2022年8月~12月)を通じて、日本近海の漁場に来遊するサンマの量は昨年を上回るものの、依然として低水準に。
また、店頭に出回るのは小ぶりなものが多くなりそうとの見通しも出ています。船の燃料代などのコスト面も考えると、以前のように手軽な値段では手に入りにくいかもしれませんが、季節を楽しむ食の代表として、安全においしくいただきたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾