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サンマの内臓は食べるべきか 寄生虫を処理する方法も 栄養士が疑問を解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
秋の味覚の一つといえばサンマ。近年は漁獲量が減り「高級魚」となりつつありますが、やはり季節の楽しみとして、食卓を彩りたいですね。しかし、最近は「アニサキス」による食中毒もよく耳にします。サンマ料理で人気の塩焼きは、内臓を食べても問題ないのでしょうか? 栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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アニサキスはサンマにもいる! しっかり加熱を
アニサキスというと、サバやカツオなどに寄生するイメージがあるかもしれませんが、サンマにもいることがあります。旬の味覚で新鮮だとはいえ、丸ごと買ってきたサンマを生で食べたり、または冷凍や加熱が不十分な状態で食べたりすると、アニサキスによる食中毒を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
そもそもアニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、幼虫は長さ2~3センチ、幅は0.5~1ミリくらいで、少し太めの白い糸のように見えます。寄生した魚が死ぬと時間の経過とともに鮮度は低下し、幼虫は内臓から筋肉に移動するため、内臓を取っても魚肉にいることがあります。
食酢で処理したり、塩漬けにしたり、しょうゆやワサビをつけて食べても、アニサキスの幼虫は死滅しません。一般的には十分に冷凍(マイナス20度以下で24時間以上)、または加熱(70度以上あるいは中心部温度60度以上で1分以上)すれば、幼虫は死滅するといわれています。
サンマの代表的な楽しみ方としては、塩を振り内臓もついたまま丸ごと焼く「塩焼き」があります。しっかりと中心部まで火が通っていればアニサキスの心配はなく、内臓を食べても特に問題はありません。