健康・美

お酒は鍛えても強くならない 知っておきたい「飲酒への誤解」

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:藤田 仁美

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 歓送迎会などお酒の席が多い季節 つい飲みすぎていませんか【写真:写真AC】
歓送迎会などお酒の席が多い季節 つい飲みすぎていませんか【写真:写真AC】

飲酒適量の目安になる純アルコール量とは

 春は、飲み会の席が多くなる季節です。つい飲みすぎて、あ~失敗した! なんてことはありませんか。そもそもお酒に強い人と弱い人はなにが違うの? 鍛えると強くなるって本当? 二日酔いに“迎え酒”は良いの? 素朴なお酒にまつわる疑問を、キリン株式会社のCSV戦略部で適正飲酒の啓発に取り組む藤田仁美さんに聞きました。

――お酒に強い人、弱い人はなにが違うのでしょうか? 弱い人も鍛えればお酒に強くなれるものでしょうか?
「実は、日本人などモンゴロイド系の人々は、個人差はありますが、ヨーロッパ系やアフリカ系に比べてお酒に弱いと言われています。臨床研究の論文などで明らかになっていますが、ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」という酵素の活性が、生まれつき弱いか欠けているという遺伝的な性質によるものです。ALDH2の活性が弱いか欠けていると、お酒を飲んだ時に発生する有害なアセトアルデヒドを速やかに分解できないため、少量のアルコールでも悪酔いしやすくなるのです。このようにお酒に強いか弱いかの基本は遺伝で決まるため、途中から強くなることはありません」

――男女にもお酒の強さに違いはあるのでしょうか?
「一般的に女性は男性よりお酒に弱いと言えます。理由としては女性の身体的特徴にあります。体格や肝臓が男性よりも小さい傾向にあるため、アルコールの分解速度が遅く、さらに体脂肪が多くて体内水分量が少ないため、血液中のアルコール濃度が高くなりやすいと言えます。女性のほうが高濃度のアルコールが体内に長くとどまりやすいため、酔いやすくなります。女性の体はとてもデリケート。飲み過ぎや自分にとって度を超えた飲酒習慣には気を付けたいですね」

――アルコール摂取の適量はあるのでしょうか?
「節度ある適度な飲酒量は、純アルコール量でいうと1日20g程度が目安です。量に換算すると、ビールなら中びん1本(500ml)、ウイスキーならダブルで1杯(60ml)、日本酒では1合(180ml)が1日の適量になります。ただし、これは体重60~70kgの成人男性でアルコール代謝能力が平均的な人の適量の目安です。女性の場合は、男性の半分程度が適量といわれています。少量の飲酒で顔面が紅潮するなどアルコール代謝能力の弱い人や高齢の方は、より少量が適量の目安です」

――純アルコール量を知ることが大事なんですね。
「純アルコール量とは、飲酒量を計算する時の基準とされるもので、たとえばアルコール度数5%のビール500mlに含まれる純アルコール量は、500ml×5%(0.05)×0.8(エタノールの水に対する比重)=20gという計算になります。処理能力で言うと、体重60~70kgの男性のアルコール処理能力は1時間に純アルコール約5gとされています。これはビールに換算して中びん約1/4杯、つまりビール1本のアルコール処理には約4時間かかる計算になります。しかし分解の速さは個人差が大きいため、あくまでも目安と考えてください」