からだ・美容
お酒は鍛えても強くならない 知っておきたい「飲酒への誤解」
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教えてくれた人:藤田 仁美
チャンポン飲みで悪酔い “迎え酒”で二日酔い対策は誤解
――よく空腹時に飲酒は良くないと聞きます。
「空腹時にお酒を飲むと、胃から小腸へのアルコールの吸収が速く、肝臓を経由して脳へ到達するため、酔いが回りやすくなると言われています。また、アルコールの刺激によって、胃壁に直接負担をかけてしまいます。お酒を飲む時は、必ずお料理も一緒に楽しみましょう」
――チャンポン飲みをすると悪酔いするって本当ですか?
「酔いの度合いは摂取するアルコールの総量で決まります。同じ種類のものを長時間飲み続けるのは大変ですが、種類が変わればお酒もすすみます。色々な種類のお酒を飲んでいると、飲んだ全体の量がわからなくなり、口当たりの違う新鮮さも手伝って飲み過ぎてしまいがちです。悪酔いするのは、量を飲みすぎてしまうことが一因です」
――二日酔いになってしまった時には“迎え酒”が良いのも聞いたことがありますが…。
「二日酔いは、お酒の種類を問わず、アルコール量の摂り過ぎによって起こります。予防策は、ひとえに『飲み過ぎない』ことです。飲み過ぎたと思った時は、水分を十分にとり、胃に負担をかけないことが大切なんです。いわゆる“迎え酒”は、再びアルコール血中濃度を高めることにより、感覚を麻痺させ一時的に不快感を感じにくくさせる、ごまかしにすぎません」
――悪酔いも二日酔いもせずにお酒をスマートにたしなむには、適量なんですね。
「繰り返しになりますが、女性の体はデリケートで、飲み過ぎや自分にとって度を超えた飲酒習慣は気を付けたほうが良いです。お酒の適量を楽しむことが大切です。ちなみに厚生労働省では『生活習慣病のリスクを高める飲酒量』として、女性の1日あたりの純アルコール摂取量を20g(500ml)以上とし、このような飲酒習慣を続けていると、生活習慣病だけでなく女性特有のリスクが高くなることもわかっています。また、週に2日は“休肝日”をつくって、肝臓を休ませるようにしましょう」
――どんな飲み方がスマートでしょうか?
「たとえば、料理をみんなで持ち寄って、お酒とのマリアージュを気の合う仲間と会話しながら楽しめば、たくさん飲まなくても満足できるはずです。お酒は食べながら飲んだ方が体にも良いので、一石二鳥ですね。また強めのお酒を飲む場合は、果汁や炭酸などで割れば、アルコール度数が下がるうえ、飲み口も見た目も女性向きになります。アルコール度数の低いお酒を上手に活用すれば、ますます女性のお酒の楽しみ方は広がるでしょう。体質を知り、健康を意識しながら、スマートな飲み方でお酒といい関係を築いていきましょう」
飲んでも、飲まれない! 適度でおいしいお酒の飲み方で、上手に楽しみたいですね。
(Hint-Pot編集部)