ライフスタイル
ナチュラリストの休日 雄大な自然とキャンプで味わう贅沢時間
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赤ちゃんとの森林浴を楽しむ
海のキャンプでは、太平洋に沈む夕日を眺め、絶え間なく寄せては返す波の音を感じながらキャンプファイヤーを囲みます。マシュマロを棒に刺してキャンプファイヤーの火であぶり、とろとろになったところをグラハムクラッカー(全粒粉のビスケット)で挟んで食べるスモアというデザートも子供たちの楽しみのひとつです。(アメリカのキャンプには必ずと言っていいほど登場します。)
三女が生まれてまもなくのある日、古い中古のキャンピングトレーラーを、田舎のほうから旦那氏が探して買ってきました。それから一か月かけて旦那氏はペイント、足回りや壊れたヒーター、電気系の配線を直し、私は子供たちと、カーテンや家具のカバーをミシンで縫い縫い。それぞれの好みを取り入れて、何とも私たちらしい空間が出来上がりました。一見外からは小さく見えるトレーラーですが、据付けの冷蔵庫や水洗トイレ、シャワーとソファーとテーブル。キッチンもベッドもあり、メインの家にはついていないクーラーもついています。トレーラーはトラックに接続して引っ張っていくので、まるでキャンプサイトにお家が建ったよう。山や海がたちまちお庭になるのです。
我が家は、それぞれの娘たちを生後3か月の頃からテントキャンプへ連れて行っていました。朝晩の冷え込み、おむつ替えや授乳など何かと不便ではありましたが、首が座ってあたりが見回せるようになった娘を連れ出して森林浴をすると、赤ちゃんはまぶしそうに緑から差し込む光や雲の切れ間から除く太陽を仰ぎ、鳥のさえずりや木々の葉が風にこすれる音に目を丸くするのです。そして何より、前より増えた家事や毎日のルーティンで余裕がなくなった私達にとって何ともいえないリフレッシュになりました。キャンピングトレーラーがある今、トイレやシャワーを使うことができ、あったかい布団で寝ることができるという何ともぜいたくなスタイルでも、アウトドアを楽しめるようになりました。
余談ではありますが、私たち夫婦は、結婚前からよくバイクでキャンプをしてまわりました。新婚旅行は、1か月かけて日本中をふたりでバイクで駆け巡りました。テントを張り、自炊をして、各地の絶景、それぞれの土地の人の温かさや、食べ物のおいしさ、気候の違いに感動しました。四国では四万十川で身体を洗い、北海道では富良野のラベンダー畑の香りを吸い込みながら風のように走りました。言葉で表すのはとても難しいけれど、本当に贅沢な旅でした。
お金もなく、快適な旅では決してなかったけれど、愛する人とこんな贅沢な時間を過ごすことができたことは、一生忘れぬ思い出になりました。私たち夫婦の想いは、子供たちにも何かを感じるチャンスがたくさんであってほしい、という事。これからの日常も、休日のトレイルでも、どこにいてもいろんなものに触れて、香りをかいで、三人三様、何かを感じてほしいと思っています。
(小田島 勢子)