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「初詣が台無しだわ!」 義母に激怒された男性 妻から謝罪を要求され関係にひびが 夫婦カウンセラーがアドバイス
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ
家庭内トラブルというと「嫁vs姑」の対立が多く聞かれますが、実は表立っていないだけで「婿姑トラブル」も多いと、夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんは言います。とくに母娘の関係性が濃い家庭は、夫と、妻の実家が険悪な雰囲気になる例も少なくないそう。今回、お悩みを寄せてくれた男性も、そんな婿姑トラブルに見舞われています。
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初詣に理由あって遅刻
神奈川県在住の長谷川智彦さん(仮名・30代)は、妻の実家と近距離別居しています。義父は鬼籍に入っており、結婚して家を出るとひとり暮らしになってしまう母親を心配する妻のため、結婚当初から近くに住むことに。
智彦さんは将来的に子どもが欲しかったものの、出張が多い仕事のため、義母に子育てのサポートをお願いできるとあって反対することもありませんでした。その後、結婚から2年後、娘に恵まれ、妻と義母の関係はますます深まっていきました。
「調べたら、いわゆる“ピーナッツ親子”に当てはまります。育児にとても協力的なのはありがたいのですが……」
ピーナッツ親子とは、関係性が濃すぎる母と娘を、殻の中で仲良く2つ並んだピーナッツの様子に例えた言葉です。
そして昨年のお正月、智彦さんと義母との関係に亀裂が入る事件が起きたそうです。発端になったのは、初詣でした。
家から歩いて20分ほどの神社へ行くことになった、智彦さん一家。義母の家のほうが神社からは近いですが、寄ると遠回りになります。また、初詣のあとにそのまま義母の家で一緒に食事をする予定だったため、妻が先に家を出て義母宅に荷物を置くなどの用事を済ませ、そのままふたりで向かってもらって、神社で待ち合わせをすることにしました。
「娘を着替えさせてから、自転車で目的地の神社へ向かい、現地で待ち合わせる予定でした。しかし、妻がいなくなったことで娘がぐずってしまい、着替えに手間取ってしまったんです。なんとかなだめて自転車に乗せ、神社に向かったのですが、待ち合わせの時間に30分ほど遅れてしまいました」
不機嫌になった娘を抱え、なんとか神社に到着。合流したのはいいものの、妻は怒り心頭で、娘の前だというのに「何やってんの!」「連絡も取れないし、あり得ない!」と声を張り上げました。
「ただならぬ雰囲気に、娘は再びぐずり出してしまいました。それを見た義母は、僕の腕から娘を奪い取り『あんたのおかげで、初詣が台無しだわ!』と……。その後、僕のことは完全に空気扱いでした」
智彦さんは妻に遅れた理由を説明しましたが、「遅れるなら遅れるで、電話をかけなさいよ」と怒りは収まりません。そして、義母に謝罪するよう強要してきたそうです。
「確かに、連絡をしなかった僕も悪いかもしれません。でも、本当に大変だったので納得がいかず、結局、義母に謝罪はしていません。最初はぎくしゃくしていたものの、今ではこれまで通りの関係を続けています。でも、妻はちょっとしたことでイライラしていて、けんかになることも増えました。夫婦関係を改善する秘策はありませんか?」
相手の気持ちになって考えて
「まずは自分の何が悪かったのかを見つめ直し、良くなかったところを素直に謝罪しましょう」と言うのは、夫婦カウンセラーの原嶋さん。
「連絡できなかったことは、そのときの状況にもよりますし、済んでしまったことなので仕方がありません。でも、相手の気持ちになって考えてみましょう。義母と妻は30分も連絡がつかず、夫と娘に何かあったのではないか、事故にあっているのではないかと、不安だったに違いありません」
普段、妻と義母が中心になって娘の面倒を見ているのであれば、離れている時間はなおさら心配が募ったことでしょう。
「妻に不安を与えてしまったことに対し、『あのときはごめんね』と謝罪の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。それをきっかけに話し合いを持ち、あの場で、大声で批難されたのがつらかったなど、正直な気持ちを打ち明けてみてください」
その一方で、いまさら義母に謝る必要はないとのこと。「智彦さんは、妻との関係を改善することに集中すればいいだけ」と原嶋さんは言います。あの日の謝罪をきっかけに、妻が最近イライラしている理由など気持ちを丁寧に聞き、話し合いを重ねるといいでしょう。
(和栗 恵)