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スピード婚した夫が帰省中に豹変 きっかけはカレー 今後の対応を夫婦カウンセラーがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

実家でカレーライスを食べた夫が豹変(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
実家でカレーライスを食べた夫が豹変(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 夏の帰省シーズン真っ只中。楽しい思い出を作りたいところですが、思わぬ夫婦のいさかいが起こることも。帰省で起きた夫婦間のトラブル体験談を、夫婦カウンセラー・原嶋めぐみさんのアドバイスとともにお届けします。3回目は、結婚してまだ数か月という30代女性からのお悩み。老若男女問わず人気を集める食べ物が、夫婦間に亀裂を生んだようです。

 ◇ ◇ ◇

実家でカレーを食べたがった夫がまさかの行動に

 東京都在住の田上真唯さん(仮名)は、外資系企業に勤めるキャリアウーマンです。昨年30代に入り「このままご縁なく、独身のまま一生を終えるのか?」と考えていたときにマッチングアプリで夫と出会い、スピード婚しました。結婚1年に満たない新婚夫婦のふたりは、今年の6月に少し早めの夏休みを取り、それぞれの実家へ帰省する小旅行をしたそうです。

 先に夫の実家に2泊し、ホテル1泊を挟んで真唯さんの実家へ。真唯さんの実家にも2泊する予定でした。その日は真唯さんたちの帰省に合わせて、近くに住む兄家族も遊びに来ていたといいます。

 食べ盛りの甥たちのために真唯さんの母がカレーを作っていると、大人用の料理があったものの、夫も「カレーが食べたい」と言い出しました。たくさんあるので、真唯さんの母が盛りつけて出すと、夫は口に含んだ瞬間、カレーをブホッと吹き出したそうです。

 思いがけない反応に、真唯さんと母は傷んだものでも入っていたのではないかと慌てふためきましたが、夫は理由を言いません。それどころか「帰る」と言って聞かず、そのまま真唯さんの実家を出て行ってしまいました。

 取りつく島もない夫の様子に困った真唯さんは、一昨日まで滞在していた夫の実家へ電話をかけることに。すると、義母からカレールーの銘柄を聞かれたといいます。

「なんのことだかわからないながらも、市販の中辛を愛用していることを伝えました。すると、義母は『昔から辛いのが苦手で、子ども用のカレー以外は受けつけないのよ』と、そんなことも知らないの? と言わんばかりの態度で言われてしまったんです」

 翌日、真唯さんは家族に平謝りして家に戻りましたが、夫の姿はありませんでした。

「その後、かろうじて連絡は取れましたが、今どこに住んでいるかなどは教えてくれません。夫は今回の帰省でいろいろと合わない部分が見えたのか、その後の別居で私と離れて暮らしたほうが楽だと感じたのか、もう離婚したいと言っています」

味覚の差が生む溝は大きい

 結婚して1年も経たずして離婚するのかと思うと、がっかりした気持ちでいっぱいだという真唯さん。どうすればいいのでしょうか。夫婦カウンセラーの原嶋さんに伺うと、「離婚で正解だと思います」と即答が。

「夫婦間を円満に保つうえで、五感に関する価値観は近いに越したことはありません。とくに味覚は重要な要素のひとつ。自分が『おいしい』と感じるものを『まずい』と感じる相手とは、心の溝が開きやすいのです」

 本来であれば、こうした価値観は結婚生活を通して、お互いに譲歩しすり合わせていくものです。しかし、真唯さんの夫の態度を見ると、不快に感じた理由を説明することなく目の前の問題から逃げ出してしまいました。

「その連絡を受けた義母の態度も気になります。自身の息子が迷惑をかけているのに、責任転嫁するような対応には不信感しかありません。真唯さんに未練がないのであれば、離婚でまったく問題ないと思います」

 しかし、離婚届を書く前にきちんと話し合いは行うべきだと原嶋さん。「夫が対話から逃げ続けるようであれば、弁護士を立てるなど、第三者に間に入ってもらうのが一番です」とアドバイスしています。

(和栗 恵)