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夫の実家で「ゆっくりしていて」と言われてゲームをしたら夫婦げんかになりました。夫は「離婚したい」と言うのですがどうすればいいですか?
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ
お盆で帰省する人が多い季節。帰省中に起きた夫婦間のトラブル体験談を、夫婦カウンセラー・原嶋めぐみさんのアドバイスとともにお届けします。夫婦そろって出かけた帰省の最中に、「ゆっくりしていて」と言われた女性。しかし、言葉通りに受け取って過ごしていたところ、夫の怒りを買ってしまったといいます。
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「ゆっくりしていて」と言われ、言葉通りに過ごしていたものの…
相談者は、千葉県在住の三田万紗子さん(仮名・40代)。昨年のお盆帰省で、夫の実家とスマートフォンゲームが原因でトラブルになりました。それが影響し、現在も夫婦の間に大きな亀裂が入ったままだといいます。
万紗子さんが夫の実家に帰省した日、すでに義妹家族と義弟家族が集まっていました。人数が多かったこともあり、大人たちは夕食の準備をする人と、子どもたちの面倒を見る人で分かれ、それぞれ過ごしていたそうです。
万紗子さん夫婦には子どもがおらず、また夕飯の支度も終盤だったことから「ゆっくりしていて」と言われたそう。そこで、ハマっていたスマホゲームをして、時間をつぶすことにしました。その後、夕飯の支度が整いましたが、きりが悪くなかなかゲームをやめることができずに、万紗子さんだけ夕飯に遅れてしまったといいます。
「どうやらそれが夫の癇に障ったようで、『家族のことをなんだと思っているんだ』と言われてしまいました。どうしてもゲームを抜けられなかったことを説明しましたが、夫はまったく理解してくれず『明日はちゃんとしろよ』と言われてしまいました」
その様子を見て、義母は優しく声をかけてくれたそう。
「義母は『大丈夫、みんな気にしていないわよ』と言っているから大丈夫だと思い、『おもしろいからお義母さんたちもやったほうがいいですよ』と親切心からおすすめしたんです。その後も私が隙を見てゲームをしていると、夫は不機嫌に。日課で唯一の楽しみなんだから、大目に見てよと思っていました」
ところが、帰宅してすぐに夫から、「実家での態度を見て、離婚したい気持ちが湧き出てきてしまった。忙しく子どもたちの面倒を見ている母や義妹たちの前でゲームばかりして、どういう神経をしているんだ。申し訳ないけれど、離婚を視野に入れて未来を考えてほしい」と言われてしまいました。
その後、ゲームをしばらく封印し、冷戦状態が続いているものの、夫婦を続けているという万紗子さん夫妻。元のような仲良し夫婦になるにはどうすればいいのか悩んでいます。
夫と夫の家族に改めて誠心誠意謝罪を
「今回の件は『ゲーム』と『言葉』、この2つに分けて考えるとシンプルになると思います」と、夫婦カウンセラーの原嶋さん。
「普段行き慣れていない家で、途中から作業に参加するのにはタイミングもありますし、『ゆっくりしていて』と言われているので、ゲームをしていたことが100%悪かったとは言えません。しかし、夕食が始まっても切り上げることができなかったのは問題です」
食事は家族の大切なコミュニケーションの時間。正当な理由もなしに遅れていいものではありません。まして、夫の実家にお邪魔しているのですから、いくら日課であっても周りのペースに合わせる必要があります。
「また、もうひとつ問題だったのは、義母に対しての『言葉』です。フォローをしてくれた義母に対し、万紗子さんは『親切心でゲームをおすすめした』とのこと。『言葉』には本音と建前があります。せっかく義母が夫をいさめてくれたのに、万紗子さんの返答はいくら『親切』だとしても驚かせてしまったかもしれません」
では、どのような解決が好ましいのでしょうか。
「今年の帰省時には、万紗子さんから改めて『あのときは、ご家族を不快にさせてしまって申し訳ありませんでした』と、誠意を込めた謝罪をしてみてはいかがでしょうか。そうすれば、夫も少しは心を開いて話を聞いてくれるのでは? と思います」
ひびが入ってからすでに1年近くが経過していることもあり、そうした謝罪をしたうえで、夫婦のことをよく知る第三者に間に入ってもらい、話し合いの場を設けたほうがいいという原嶋さん。親しき仲にも礼儀あり。本音と建て前を見分けて、上手に親戚づきあいをしていきましょう。
(和栗 恵)