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春はなぜ眠くなるのか? 3つの理由とスッキリ過ごすための習慣
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春眠暁を覚えず…日中も眠気を感じる理由は気候と環境にあった
“春眠暁を覚えず”という言葉が広く知られるくらい、春は眠いし、日中もぼーっとしがちなことが多いです。なぜなのでしょうか? 東京有明医療大学教授で医学博士の川嶋朗氏に聞きました。川嶋氏は3つの理由を指摘します。1つめは、気圧の谷、2つめは寒暖差と日照時間、そして3つめは新生活のストレスです。
その1 気圧の谷
春特有の気象条件としてよく耳にするのが「移動性高気圧」。大陸からやってきたこの高気圧が日本を次々と通り過ぎ、その後には必ず低気圧がやってくるそうです。これがいわゆる「気圧の谷」と呼ばれ、高気圧と低気圧が頻繁に入れ替わり、気象状況が目まぐるしく変化するのが春の気象の特徴。気圧が下がると、血中の酸素濃度が下がり副交感神経が優位になると言われ、身体はリラックスモードに入るとされています。昼でも「眠い」状態に陥りやすくなるそうです。また「やる気が出ない」「ぼんやりする」ことも「気圧の谷」の影響があるようです。
その2 寒暖差と日照時間
春は寒暖差も大きくなります。4月に入ると、着用する服が薄着になることが多く、秋冬に比べて寒さへの意識も薄いことから、身体が寒暖差に敏感になります。実際、4月の気温を見ると、東京では5日の最高気温が22.5度、最低気温が6.7度と16度近くも差があるなど、ほぼ毎日10度以上の寒暖差が続いています。また、暑い日が続くと思ったら、季節外れの寒さの日もあったり、日によっての差も激しいです。この寒暖差により、自律神経が乱れ、肩こりやめまいなど、さまざまな症状があらわれます。加えて、春になるにつれて、日照時間が長くなります。早い時間から部屋の中に光が差し込むため、いつもより早く目が覚めたり、夜ふかししたりなど、生活リズムが乱れがちです。すると、睡眠の質が低下しがちになります。そのようなことが積み重なって、日中にだるさや眠さを感じやすくなります。
その3 新生活のストレス
春は卒入学や就職、異動などの多いシーズン。自分自身は変わっていなくても、職場のメンバーが入れ替わるなど、周囲の環境が変わりやすい季節でもあります。新しい状況に慣れるため、身体と心は無意識に緊張し、交感神経が優位な状態が続いていることも。そのため夜になってもうまくリラックスできず、眠ったつもりでも疲れがとれません。その影響で昼になってもぼんやりしたり、眠気に襲われたりします。