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5分の使い方で差がつく ハーバード流時間術でパフォーマンス力をアップ
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15秒のアピールで国連に就職? ハーバードの友人の驚きエピソード
ハーバードの学生から学んだことは、時間の使い方だけではない。アピール力の高さにも驚かされたという。特にすごいエピソードは、学生時代に環境系の研究をしていた友人の例だ。
米国元副大統領でノーベル平和賞受賞者であるアル・ゴア氏が、ハーバード大学にスピーチに来た際、件の友人はどうしても政府で働かせてほしいという思いを直接伝えたかったのだそうだ。そして、どうにか楽屋を突き止め、車に移動するまでのルートでアル・ゴア氏に猛アピール。熱い思いと経歴を15秒ほどのスピーチでまとめていったのだという。結果、友人は国連で働けることになったのだそうだ。絶対に無理だと思われることも、行動に移せば意外と可能。何事もアピールしたもの勝ちだという好例である。
「日本人はアピール下手といわれますが、普段から自分のアピールポイントを意識し、イメージしておくことが大切だと思います。例えば、エレベーターでZOZOTOWNの前澤社長が同乗したとしましょう。そこで10秒あるとしたら、何を言いますか? このチャンスを活かせるか活かせないかで、その後が大きく変わると思います」
世界基準では、専門性は複数持っていたほうがいいと考える廣津留さん。しかし、例えひとつしか特技がないとしても、それをいかにアピールできるかのほうが大切だという。
「最たる例でいえば、就活がうまくいかない場合は、アピールポイントに問題があるのかもしれません。折角、経済学を学んでいても、何を頑張ったか聞かれたときにアルバイトでの実績をアピールする方も多いそうですが、なかなか専門性が高いバイトはありません。大学に行っている間はしっかりと研究したり、課外活動で功績を残すなど、自信をもってアピールできることを準備するといいと思います。謙虚とアピールができないは違うこと。まずは、意識改善からしていくのがいいのではないでしょうか」。
アピールが苦手な日本人。では逆に海外に行ったとき、日本人らしさが役立つことはないのだろうか。廣津留さんによると、日本人は実はアメリカ人よりフレンドリーな一面があるという。
「アメリカ人はビジネスになると一気に早口になるし、声も低くなります。アメリカ人はビジネスの場において、舐められてはいけないというのが最重要。その点、日本人のほうが柔らかく入って敵を作らず、和を重んじます。私としては、そのほうがいいと考えています。ピリピリしている場も、私がいつもの雰囲気で現場に入ると空気が和らいだと感じることがあります。意外と郷に入っても、日本のルールに従って動いたほうがうまくいったりしますよ」
日本でも公演を! 本業のバイオリンに注力したい
最後に、廣津留さんの今後やりたいことを聞いた。
「いまはバイオリンの公演を増やしたいと考えています。東海岸を中心に演奏活動をしているのですが、日本ではなかなかその機会がないので、世界中いろいろなところで演奏するチャンスがほしいですね」
世界で活躍する人が増えることは、今後の日本にとっても大変重要なことだ。廣津留さんの今後の活躍に期待が高まる。
バイオリニスト。Smilee Entertainment社 CEO。1993年大分市生まれ、現在はニューヨークに在住。小中高まで地元の公立学校に通う。2012年ハーバード大学に現役合格。首席卒業後は、ジュリアード音楽院の修士課程に進学。2018年に首席で卒業した。卒業後は、ニューヨークで起業。バイオリニストとして世界的チェリストヨーヨー・マとの度々の共演やゲーム「ファイナル・ファンタジー」シリーズのサントラ録音など、ジャンルにこだわらず幅広く活躍。毎夏大分でハーバード大学生による小中高生向け英語セミナー「Summer in JAPAN」を開催するなど、多方面に事業を展開中。2019年初の著書『ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」』(KADOKAWA/中経出版刊)を執筆。
(Hint-Pot編集部)