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子どもの習い事3歳からは早い? 始める前にお母さんが知っておきたいこと

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:おおたとしまさ

英語の習い事は人気だけど「習得」するのと「学習」するのは違う

 お勉強系の習い事としての王道は、幼稚園の年長さんから公文を始めて小学校3年生までで終わらせる。パターン学習で処理能力の速さは武器になると思う。それから、そろばん。ワーキングメモリーや集中力というのが武器になると思う。そろばんって、武道っぽいですね。道を極めるみたいな。公文とは少し異なるモチベーションがあります。

 そのほか、ボーイスカウトは、教育プログラムとしてもよく考えられていて、学校教育の弱点を補っていると言えますね。民主主義、リーダーシップ、プロジェクトの探求、チームで解決していく力がつきます。一市民として育っていくし、予算的にもやさしいですよね。

 英語の習い事は人気がありますよね。しかし、よほど頑張らないと、しゃべるようにはならないのが現実だと感じます。ひとつ確かなのは、外国語を「習得」するのと「学習」するのは違うということです。構造が違う外国語を理論的に学習することによって、日本語の力が飛躍的に高まるんです。小さなころから外国語をバイリンガルとしてやらせても、12~14歳ごろに別の外国語をやるほうが良いと思います。

なぜ習い事をやるのかー大事なのは4つの体験

 そもそも、なぜ習い事をやるのかというと、「なにかができるようになるため」ではない。大切なのは、『夢中』『達成』『挫折』『克服』の4つを体験することです。まずなにか夢中になる。すると達成感を得ることができる。たとえば、ピアノが弾けるようになったとか。でも、一生懸命やっていても、だんだん頭打ちになることもある。落ちちゃった、弾けないとか、一時的に挫折を味わうこともあります。でも、もうちょっと頑張ってみるとその状況を抜け出すことができる。そういう経験を積むために、習い事をするのは良いと思います。実は、3歳でなにかを始めて早い遅いもなく、内容はなんでもよい、というのが結論です。(談)

◇関連書籍
『習い事狂騒曲 正解のない時代の「習活」の心得』(ポプラ新書)
習い事は何のためにするのか、どうやって選べばいいのか――。知識量や処理能力だけでなく、発想力、思考力、表現力など、幅広い能力が求められるようになった現代。親世代にはなかった習い事の最新情報、東大生がやっていた習い事、さまざまな体験談などから、習い事をとりまく光と闇を描き、心身ともに子どもが成長するために必要なことは何かを問う一冊。

(Hint-Pot編集部)

おおたとしまさ

育児・教育ジャーナリスト。「子供が“パパ!?”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子供と一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。男性の育児、子育て夫婦のパートナーシップ、無駄に叱らないしつけ方、中学受験をいい経験にする方法、特徴的な教育を行う学校や塾などについて、新聞・雑誌へのコメント掲載など多数。全国17のラジオ局ネットワークで放送される「OH! HAPPY MORNING」にレギュラー出演中。心理カウンセラーの資格があり、サイト「パパの悩み相談横丁」ではメールで全国のパパからの悩みを受け付けている。中高の教員免許、小学校教員の経験もある。『習い事狂騒曲 正解のない時代の「習活」の心得』は、習い事をとりまく光と闇を描き、心身ともに子どもが成長するために必要なことは何かを問う一冊。『ルポ父親たちの葛藤』、『ルポ塾歴社会』、『名門校とは何か?』、『追いつめる親』など著書は50冊以上。