育児・家族

認知症の父、鬱状態の母 離れて暮らすアラフィフの娘が向き合って気付いたこと

著者:和栗 恵

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認知症患者との接し方を間違えると症状が悪化してしまうことも(写真はイメージです)【写真:写真AC】
認知症患者との接し方を間違えると症状が悪化してしまうことも(写真はイメージです)【写真:写真AC】

 内閣府が発表した平成30年度版高齢社会白書によると、日本の65歳以上の人口は3515万人となり、総人口に占める割合が27.7%になりました。また、平成29年度の同白書によると、自律的生活に支障をきたす認知症有病高齢者数は、2012年の時点で462万人となり、65歳以上の高齢者の約7人に1人にのぼると言います。2025年には認知症有病者数は700万人に到達し、高齢者の約5人に1人が認知症になるという驚きの推計が示されました。もはや他人事ではない、高齢者の認知症問題。70代の両親をもつアラフィフライターの筆者も、例外ではありませんでした。まだまだ縁遠いと思っていた70代前半の父が、ある日、認知症を発症。別居する娘の視点から、その向き合い方について語りたいと思います。

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最初は認知症だとは思わなかった 「ザ・昭和男」な父の言動に抱いた小さな違和感

 よく働き、よく遊ぶ――「昭和な男」の代名詞のような生活を送ってきたはずの父親。「おかしいな」と、父の言動に対して感じ始めたのは3年前、父が73歳のときでした。父は自分で言い出したことを平然と覆したり、自分で言ったりやったりしたことをケロリと忘れてしまったりし始めたのです。

 とはいえ、当時の父はまだまだ70代前半。娘の私は、まさか認知症とはつゆほども思わず、高齢者にありがちな物忘れだろう、もともと我の強い人だったから、それが高齢者特有のわがままに進化しただけだろう、そう思っていました。

 症状が悪化し「これはヤバイ…?」と思うようになったのは、父が74歳になった秋のこと。話したばかりのことを5分後に聞き直してきたり、母の所在をしつこく聞く電話が一日に何度もかかってくるようになりました。