インタビュー

白血病を乗り越えてー24歳で「食品ロス」会社役員になった女性の原動力

著者:Hint-Pot編集部・白石 あゆみ

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自らの闘病体験を明るく語るコークッキングのCOO篠田沙織さん【写真:Hint-Pot編集部】
自らの闘病体験を明るく語るコークッキングのCOO篠田沙織さん【写真:Hint-Pot編集部】

 “フードロス元年”といわれた2018年にリリースされた注目のサービスがある。株式会社コークッキングが運営する「TABETE」だ。「フードロス」とは、本来食べられるにも関わらず廃棄されてしまう食品のことで、その量は世界的に問題視されており、日本でも近年「食品リサイクル法」の見直しが検討されている。そのような背景のなか始まった「TABETE」は、食品が余ってしまった店とユーザーをつなげる、フードシェアリングという新たな試みだ。同社のCOO(最高執行責任者)である24歳の篠田沙織さんは、学生のころからこの事業に挑戦したいと考えていたそうだ。食への強い思いは、自らの闘病生活がきっかけになったという。インタビューを3回に分けてお届けする。

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小学2年生で白血病に 「一時退院で食べた母の豚汁がおいしくて」

 食品ロスに取り組むフードシェアリングサービス「TABETE」の広報を務める篠田さんは、大学時代からインターンとして働いていた、口コミグルメサービスの会社に22歳で就職。新卒で入社した会社を約10か月で退職し、現在の株式会社コークッキングにCOOとして入社したやり手だ。

 驚きの転身劇を遂げた篠田さんは、いかにして現在のポジションに身を置くことになったのか。それには、篠田さんの幼いころの病歴が深く関わっているという。

「小学2年生になったある日、鼻血が止まらなくなり救急車で緊急搬送されました。まだ幼かったので鼻血を上手に出すことができず、おなかに溜まってしまったのが原因でした。しかし、それがきっかけで白血病に罹患していることが発覚したんです」

 幼い頃は、おてんばで運動が大好き。健康的でクラスの中心にいるようなタイプだったという篠田さんだが、1泊2日ほどで帰れると思っていた入院は、白血病の治療のため1年半にも及んだという。

「病名は知らされていませんでしたが、入院が長引くにつれ幼いながらも段々と状況を理解していきました。どんなに嫌でも薬は飲まないと治りませんからね。それまでは年相応にわがままを言える子どもだったそうですが、何でも我慢をする癖がつき、いつのまにか性格は真逆になっていました」

 外出ができたのは、半年に一度ほど。一時退院のときに食べた母お手製の豚汁がおいしく、食事ができることのありがたみや安心感を味わったという。この体験が「食」に関わる仕事に就きたいという、その後の原動力になったそうだ。