インタビュー

「食品ロス削減法案」を追い風に 幼い頃に白血病と闘った24歳女性が作る新しいムーブメント

著者:Hint-Pot編集部・白石 あゆみ

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人生年表が大切だと語る篠田沙織さん【写真:Hint-Pot編集部】
人生年表が大切だと語る篠田沙織さん【写真:Hint-Pot編集部】

 世界的に問題視されている「フードロス」問題。「フードロス」とは、本来食べられるにも関わらず廃棄されてしまう食品のことだが、それを利用した新たなサービスが話題を呼んでいる。2018年にリリースされたフードシェアリングサービス「TABETE」だ。「TABETE」が提供するのは、食品が余った店とユーザーとのつながり。廃棄間際の商品を、比較的おトクな価格で消費者に提供している。この新たな試みに挑戦しているのは、株式会社コークッキングのCOO(最高執行責任者)である篠田沙織さん(24)だ。小学2年で白血病になり、その闘病生活から「食」に関する仕事への思いが強くなったという。最終回の今回は、若くして取締役となった苦労と葛藤、そして篠田さんが考える「フードロス」問題のこれからに迫る。

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最年少上司としての葛藤 等身大の自分でぶつかるように

 平社員として大手グルメ口コミサービスを提供する会社に就職し23歳で転職。現在24歳で最高執行責任者であるCOOに就任。驚くべきキャリアアップに成功した篠田さんだが、若くして取締役になったいまの気持ちを聞いた。

「『TABETE』のフードシェアリングサービスは、学生時代からいつか事業にしたいと思っていたフードロス解消の一助となる事業。自分がずっとやりたかったことなので、毎日大変ですが、楽しさのほうが勝っていますね。それにスタートアップは、理念に共感して協力をしてくださる人が多いので、周囲の熱量もとても高く、みんなで同じ方向を向いて仕事をできる環境はとても恵まれていると感じています」。

 2018年8月には、GMOペパボ株式会社の創業者の家入一真さんが共同代表を務める、NOWをはじめ、6社から数千万円を資金調達。また、最近では、鳴り物入りで日本に参入してきた賃貸サービスを提供するインドの会社OYO(オヨ)と業務提携。その躍進は止まらない。

「これまでなら自分が話すことなんてできないような立場の方々と、お話することができ、色々な知見を得られています。あのまま新卒社員で働いていたらなかったかもしれない経験がたくさんできてよかったなと思いますね」

「ですが、やはり部下を持つ大変さを毎日痛感しています。私は社内で一番年下ですし、特筆すべきキャリアの差があったわけではありません。私がずばぬけてなにかできるわけでもありません。最初は自分が描く理想の管理職女性像があって、それに合わせて気丈にふるまっていました。でも、自分には向いていないなと思って、今では素直に周囲を頼り、ひとりひとりと寄り添える上司を目指していますね」。

 謙虚な篠田さんだが、そもそもCEOの川越さんが篠田さんをCOOに任命した理由はなんだったのだろうか。篠田さん曰く、“想い”の強さが決め手だという。キラキラキャリアや経験の有無だけじゃなく、小学生のころ白血病を患ったことがある篠田さんのバックグラウンドや思いの強さ、人柄を見てくれているのだそうだ。