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「朝食の役目」を考える 夜の眠りにまで関係? 管理栄養士に聞く
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教えてくれた人:森川 有子
厚労省の調査によると、若い世代で朝食欠食率が増えているといいます。朝は眠いし、時間がない……。「朝、食べないと、頭がぼーっとして集中力や記憶力の低下などにつながる」とは、聞いたことはあるけれど、時間があれば、もっと寝ていたいし、お化粧に時間をかけたいなど思うこともあるかもしれません。むしろ朝食抜きのほうが、摂取カロリーをカットすることができてダイエットに良いのでは? など思っていませんか。ダイエットコーチで管理栄養士の森川有子さんに聞きました。
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脳へのエネルギー補給をはじめいろいろある 朝食の「メリット」とは?
――朝食は大切、というのは頭ではわかってはいるのですが、なにが大切なのでしょう?
「たくさんのメリットがあります。まず、脳へのエネルギー補給。前の晩に食べた時間帯によりますが、一般的には、朝起きた時は一種の“飢餓状態”にあるといえます。朝起きたときに頭がボーッとしてしまうのは、寝ている間にブドウ糖が使われて、足りなくなってしまうのが理由です。つまり朝食を抜くと、午前中、身体は動いても頭はボンヤリ、ということになりがちです。脳のエネルギー源のブドウ糖を補給して、身体だけじゃなく頭も目覚めさせる必要があります」
――脳へのエネルギー補給のほかに朝ごはんのメリットはありますか?
「人間には『体内時計』と呼ばれるものがあります。睡眠や体温、血圧やホルモン分泌などの変化を司っている機能です。光と関係があり、太陽が昇る日中は活動的に、沈んだら休息を……と働きかけます。これを『体内リズム』といい、快適なリズムをつけるために、毎朝食べる癖をつけることは大切です。代謝を上げたり、腸の活動を目覚めさせるには、朝ごはんを食べる習慣を心がけること。朝ごはんを抜いている人で、もし夜によく眠れないという人がいたら、ぜひ朝食を見直して欲しいですね。眠りの質はダイエットに大きくつながってきます」
――朝ごはんが、夜眠ることにつながっていて、睡眠がダイエットに関係しているということでしょうか?
「そもそも、睡眠不足はダイエットの大敵です。近年の研究では、睡眠不足を感じている人の身体は食欲を増進するホルモンが増え、満腹感を脳に伝達して食欲を抑制するホルモンが減少すると言われています。睡眠中に、疲労回復、記憶の整理、成長ホルモンの分泌、ストレス解消がされます。また、睡眠時間をちゃんと取っているのに、寝つきが悪かったり、よく眠れないという人は、就寝前の行動に原因があることが多いですが、実はその日の朝ごはんも振り返ってみると良いですよ」