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「朝食の役目」を考える 夜の眠りにまで関係? 管理栄養士に聞く
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教えてくれた人:森川 有子
朝ごはんは夜の眠りまで関係する!? ヘルシー志向の朝食はたんぱく質不足に注意
――朝ごはんが、その日の夜の眠りの質に関係してくるのですね。
「質のよい睡眠は、睡眠促進ホルモンであるメラトニンが体内に分泌されることがカギになると言われています。このメラトニンの分泌を促進させるのは、『幸せホルモン』と呼ばれる三大神経伝達物質のセロトニンが必要です。ただし、このセロトニンは体内で貯蔵できないため、食物から摂取しなければならないんです。セロトニンを体内で生成するのに必要な栄養素は、必須アミノ酸のトリプトファン、ビタミンB6、そして炭水化物。そしてセロトニンを体内で生成するのにかかる時間は、14~16時間と言われているんです。つまり朝に食べることで、夜の快眠につながっていく、と言えます。快眠できれば、代謝も上がってやせやすい体質につながっていきます」
――具体的に、トリプトファンとかビタミンB6が含まれている食品はなんでしょうか?
「トリプトファンは、主に豆や大豆製品、乳製品などに含まれていますが、けっこういろいろな食材に含まれているので、朝ごはんをバランス良く食べているのなら、問題ないと思います。B6を多く含むものとしては、サケ、イワシ、マグロなどの魚や鶏肉、豚肉、ジャガイモなどです。いわゆる和朝食、味噌汁やごはん、焼き魚などがそろうのが理想です。でも、朝からしっかり料理する時間がないケースが多いと思いますので、納豆ごはんとお味噌汁の朝食で良いです。コンビニで売っているサラダチキンなどを活用するのも良いですね」
――洋風の朝食でいうと、どうでしょう?
「豆乳、ヨーグルトやチーズも大豆製品や乳製品なので良いですね。このほか鶏卵、アーモンド、クルミなどのナッツ類、ゴマやはちみつに多く含まれています。果物ではバナナも挙げられますね。いつもコーヒーにトーストが朝ごはんだと言う人は、ヨーグルトやバナナをプラスするのも良いのではないでしょうか。よく『〇〇だけダイエット』ということが流行することがありますが、ひとつのものに偏るのではなく、いろいろとバランスよく食べることが大事です」
――そのほか、朝ごはんで食べておきたいものは?
「いわゆる三大栄養素のたんぱく質、炭水化物、脂質は大事です。特に女性は筋肉が少なく、代謝が低くなり、太りやすい体質になることもあります。朝にお手製のスムージーやジュースだけで済ませている人もいるかもしれません。一見ヘルシーな印象を受けますが、たんぱく質が不足してしまいます。肉、魚、卵、乳製品や豆類なども朝に食べるものとして、取り入れておくと良いでしょう」
(Hint-Pot編集部)