インタビュー

親日国ベトナムでピザ店を経営 高杉晋作の末裔30代女性が起こす新たな“風”

著者:Hint-Pot編集部

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PIZZA 4PSコーポレーションのCOO高杉早苗さん【写真:Hint-Pot編集部】
PIZZA 4PSコーポレーションのCOO高杉早苗さん【写真:Hint-Pot編集部】

「Edutainment(エデュテインメント)」という言葉はご存じだろうか? 楽しみながら学ぶことを意味し、教育の「Education」と娯楽の「Entertaiment」 を合わせた造語だ。2011年にホーチミンでオープンし、現在ベトナム国内に11店舗経営する「Pizza 4P’s」は、この「エデュテインメント」を取り入れた体験型レストランも新たに展開。創業者は30代の日本人夫婦だ。妻の早苗さんは、幕末に「奇兵隊」を創設し“革命児”として知られる高杉晋作の末裔。日本、ベトナムメディアのみならず、BBCやニューヨークタイムズといった欧米のメディアにも注目される、同店人気の秘密に迫った。

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遊びながら学べる「エデュテインメント」の概念 ワークショップが現地の親子から大好評

「Pizza 4P’s」の掲げる「エデュテインメント」は、世界的な潮流となりつつあるEGS投資(社会的投資)のひとつといえるだろう。自社の利益だけを追求せず、社会的責任に配慮した持続可能な経営に投資していくことを指す。日本でも急速に増えつつあるも、その投資額は全体から見ると数%。アジア圏全体で見ればさらに少ない。

 日本でさえ、難しいように思える経営方針。異国の地であるベトナムで、この概念を取り入れながらの経営は、難しくはなかったのだろうか。PIZZA 4PSコーポレーションのCOO高杉早苗さんに話を聞いた。

「店舗によってコンセプトは変えていますが、スワンツゥイ店 を開店する際に『エデュテインメント』をコンセプトに置きました。押し付けがましい教育じゃなくて、ワークショップを楽しんでいたら学べた! というイメージです。ハノイの店舗でも行っていて週末に子ども向けのピザ作り教室を開いています」

店舗に備え付けられたミミズのコンポスト【写真:Hint-Pot編集部】
店舗に備え付けられたミミズのコンポスト【写真:Hint-Pot編集部】

環境にやさしい循環型農業 食料廃棄物をたい肥にしハーブや野菜を栽培

 このワークショップの肝ともいえるのが、同店が取り入れている環境に優しい循環型農業アクアポニックスだ。具体的には、ミミズコンポストを使い、店から出た食糧廃棄物をたい肥にする。そのたい肥を使用して、ハーブや野菜を店のなかで育てている。

「参加した子どもたちがハーブを摘んで、その場で食べられたり。コンポストに使っているミミズを敷地内にある池の魚の餌にし、魚の糞尿はろ過してこれも野菜の肥料として使っていますね。また、ミミズを釣り餌にして魚を捕まえて食べてみようというワークショップも行っています。体験をしながら、この食物サイクルや、フードマイレージゼロ(食料輸送距離)など、エコシステムについて話をするきっかけになる場所を作りたいと考えています」

 何もしなければ、店から生ゴミが50kg以上出てしまうという。しかし、それをペースト状にしミミズをたくさん育てることで、このサイクルを店舗の中で作っている。もちろん衛生面も考え、ハエなどの害虫対策として「ホエー(乳清)」を利用し、発生を抑えているそうだ。