ライフスタイル
「娘が預けた女性のお乳を…」 30代日本女性が語るベトナムでの大らかな子育て
公開日: / 更新日:
3週間先まで予約が取れないベトナムの超人気ピザレストラン「Pizza 4P’s」。現在、ベトナム国内では11店舗展開し、成長を続ける同店の経営者は30代の日本人夫婦だ。2児の母でもあるCOOの高杉早苗さんは、いかにして経営を支え、子育てを両立しているのだろうか。ベトナムでの子育て事情を聞いた。
◇ ◇ ◇
10年前に渡ったベトナムは「子連れウェルカム」 しかしラフさに最初は戸惑いも
2009年8月――早苗さんは、当時生後6か月の長女を連れてベトナムへと渡った。もともと日本の企業に勤めていた早苗さん。育休中にハノイへ転勤となった夫・陽介さんに帯同するため、退職して移住を決めたという。
「ベトナムでは英語がほとんど通じないので最初は苦労しました。でも、子どもがいたので、最初から現地の方と交流することは多かったですね。ベトナム人の多くは赤ちゃんが大好きなようで、みんな温かいんです」
「だから、子どもを抱いていると言葉がわからなくても、近寄ってきてかわいがってくれるんですよ。外食中も店員さんが赤ちゃんの面倒をみてくれたりするんです。その間に親はゆっくりごはんを食べられます。とにかく子連れウェルカムという感じですね」
早苗さんによると、街の見知らぬ相手でも子連れには親切にしてくれるというベトナムの人たち。最も“カルチャーショック”を受けたことは? の問いに驚きの答えが返ってきた。
「長女がまだ赤ん坊のときに、家族でスーパーマーケットへ行ったときのこと。とあるベトナム人女性が、『抱っこしているから買い物してきちゃいな』というので、お任せして買い物をしていたのですが、戻ってきたらなんと娘が預けた人のお乳を飲んでいたんですよ(笑)」
「完全母乳で育てていたので、なんだか娘に“浮気”されたような気持ちになってしまって、後で泣いてしまいました。本人は良かれと思ってやってくれたので、何も言えませんでしたね。ベトナムではナニー(乳母)さんに子育てを手伝ってもらう文化があり、お乳が出ない人でもおしゃぶりがわりにあげたりするそうです。B型肝炎などの病気を心配したりショックも大きかったですが、今では笑い話。娘もなんだか満足げに見えたので『ああ、そんなもんなんだな』と思って」