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「娘が預けた女性のお乳を…」 30代日本女性が語るベトナムでの大らかな子育て
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ベトナムに根付く“ナニー文化” 「女性が仕事に打ち込みやすい」
「二児の母でここまで自分がやりたいこと、私の場合は仕事ですが、仕事に120%打ち込めるというのはベトナムだからできているんだと思いますね。それはナニーさんのおかげ。いまでは家族の一員という感じです。仕事に熱中できるだけの万全なサポート体制、そして私自身が子どもや夫に対して後ろめたさを感じないでいられる環境って、日本ではなかなか叶わないことだと思うんですよ」
実際、日本ではまだまだベビーシッターの利用率は低い。金銭的な負担が大きいこと、世間の目を気にするなど心理的ハードルが高いことなどが原因だろう。共働き家庭が増え、その市場は拡大しつつあるものの、ベトナムほど一般化されてはいないのが現状だ。
「“ナニー文化”が根付いているのは、ベトナムには共働き家庭がとても多いのも一因ですね。それに有名企業のCEOを女性が務めていることも多く、女性がビジネスパーソンとして受け入れられ、働きやすい環境がベトナムにはあるんじゃないかなと思います」
「それにベトナムでは、みんな出産後もすぐに仕事に戻るので、ナニーさんの存在は本当に大切なんです。私も経営拡大で忙しかったころに2人目を出産したので、産後一週間で職場復帰しました。最初は母乳育児を頑張っていたのですが体調を崩しやすくなり、取捨選択を迫られました。それで、よりナニーさんにお願いすることが増えたのですが、下の子が一番最初に『ママ』と言ったのが、ナニーさんに対してだったときは少し悩みましたね(笑)」
「我が家には私と夫のふたりのパパがいる」 パートナーとして夫と価値観を共有
また、早苗さんがナニーさんに全力で頼ることができるのは、夫の陽介さんと価値観が共有できていることも大きいという。出産後、仕事を始めてから家で一切食事を作らなくなったが、陽介さんは全然気にとめていないそうだ。仕事のパートナーとして結果を出すためには、家庭のことも役割分担だと考えてくれているという。
「我が家は私と夫というパパがふたりいて、ナニーさんが今はママの役目をしてくれている感じですかね。送り迎えや行事参加は夫婦で半々にしています。ナニーさんがいてくれると、お互いいっぱいいっぱいのときも、子どもに対して余裕ができて『もっと愛情を伝えたい』と思えますし。デートをしたり夫婦の時間が持てるので夫婦仲も良くなり、それが子どもにとっては一番よかったりして。そういうポジティブなサイクルが生まれていますね」
ベトナム国内でも次々と出店準備を進めているという「Pizza 4P’s」。現地の文化を受け入れながら、自然体で前向きに自己実現していく早苗さんは、周囲を笑顔にさせる不思議な魅力がある。
(Hint-Pot編集部)