育児・家族

認知症の父から異臭…入浴拒否が始まった アラフィフ娘が感じた介護との向き合い方

著者:和栗 恵

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写真はイメージです【写真:写真AC】
写真はイメージです【写真:写真AC】

 人生100年時代――親の介護は多くの人が通らなければならない問題です。70代の父が「認知症」と診断されてから1年半が過ぎました。長年、両親とは離れて暮らしていたこともあり、初めは戸惑いが大きく、ひとりで対応していた母が鬱のような状態になってしまったこともありました。しかし、認知症への理解を家族で深め、どうにかこうにか暮らしを立て直しつつあります。そんな中、恐れていた季節がやってきました。昨年の夏は、父も自分の着替えを管理することができ、汚れた洗濯物を出すことができたのですが、夏本番を前に、ついに危惧していたことが起こったのです。

 ◇ ◇ ◇

夏…それは認知症を見守る家族にも「試練」のとき

 それは、母からの電話で知ることになりました。

「お父さんが、ひどく臭うのよ。どうすればいいのかしら」

 電話先から聞こえた、母からのそんなひとことに、思わずドキリとしました。

「え? それってどういうこと?」と話を聞くと、父が着用した下着類や靴下、衣類などを、まったく洗濯に出してこなくなったというのです。

「お父さん、洗濯物はどうしたの?」と母が聞くだけで「そんなものはない!」と怒鳴りだし、自分の部屋にこもってしまう父。

 仕方なく父が散歩に出たすきをみて、母は恐る恐る父の部屋をのぞきました。そこには、驚くべき光景が広がっていたといいます。

下着や靴下、服を洗濯せずに何度も着る父 風呂も嫌がるように

 母が目にしたものは、段ボール箱やプラスチックケースにぎゅっと詰め込まれた靴下やトランクス、シミのついたポロシャツたち。どれがきれいで、どれが汚いのか、段ボールに詰められている状態なのでまるでわからなかったそうです。

「(面倒くさいなら)かたっぱしから洗ったら?」

 思わず、そんな言葉が口から出てしまうと、母は怒り出しました。

「段ボールがいくつあると思ってるのよ!」

 慌てて電話で発言について謝罪をし、実家に向かいました。

 まずは母のケアを……と、母の部屋で話を聞くと、そうした症状はここひと月ほどで顕著になってきているとのこと。一時は娘の私が毎日電話で丁寧に会話をすることで、症状が緩和されたかのように思えた父。しかし最近ではお風呂に入るのも嫌がるようになり、なんとかなだめて風呂場に連れて行くとようやく入浴するのだと、母は泣きそうな声で語ってくれました。