仕事・人生
日本人エンジニアママが体験した米シリコンバレーの「働く子育て」
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アメリカでも待機児童問題 出産直前まで働くママたち
子育てと仕事の両立に理解のあるシリコンバレーでも、子育ての課題は多いという。「まず、保育園は激戦です、なかなか入れない。妊娠してすぐに入園のリストに名前を書きましたが、望んだところはしばらく入れず、3カ月ほど日本から来た母に見てもらった」。
また保育園はとても高価で、給料の大半を使うほどだという。しかし「それでも辞めずに働き続けた方がキャリアが上がっていくので、生涯年収で考えると高くなる」。そのためほとんどの母親は高い保育料で子どもを預けてでも職場に復帰する。自宅でベビーシッターに預けるのは4歳ごろからだといい、日本と同じく待機児童が出てきてしまうようだ。
さらに日本では産休を一カ月以上取るのが一般的だが、のぞみさんは出産1週間前まで働いた。「産休と育休で4カ月を取得するのが規定なので、産んでから長く休みを取りたくて。その関係でギリギリまで働きました」。電車社会の日本と異なり、車社会のアメリカだからこそ直前まで働くことができるのだという。
産後の休暇はたった4カ月だったが、「シリコンバレーの会社は自由なところが多く、時短で働いたり、父親の育休も一般的で、旦那も3週間休みました」と話す。課題は多いが、日本と比べれば仕事と子育ての両立が進んでいる印象のアメリカ。一方で、結果が出せなければ簡単にクビ宣告されてしまうといったアメリカの会社の厳しさもある。
その後、第一子が1歳を迎えたタイミングで「子どもを日本で育てたい」と感じたリップス夫妻は日本へ移住。そして「スナックミー」に加わることとなる。次回は日本のスタートアップと子育て、そして「スナックミー」が持つ子どもへの思いを聞く。
(Hint-Pot編集部・臼井 杏奈)