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子どもだけじゃない! 良好な夫婦関係を保つ「おとなの読み聞かせ」とは?
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教えてくれた人:竹内 美貴子
子どものために「読み聞かせ」を頑張っている、または頑張ってきた、お父さん、お母さんは多いと思います。「読み聞かせ」は、子どもにしてあげるものというイメージが強いと思いますが、国内外の絵本研究に携わり、絵本を使った英語教材の制作などの経験もある、ラボ教育センターの竹内美貴子さんによれば、「読み聞かせ」は大人にもおすすめなのだそう。絵本の読み聞かせを行う年代の子どもがいるご家庭は、働き盛りで仕事も忙しく、子どもも目が離せなかったりと、コミュニケーションが不足しがち。ぜひ子どもへの「読み聞かせ」習慣とともに、夫婦でも読んでみてはいかがでしょうか。そのポイントをまとめました。
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お互いの信頼関係を築く本の読み聞かせ 親子でも夫婦でも
絵本の読み聞かせを楽しむためには、読み手との信頼関係が不可欠です。特に子どもは絵本の内容が楽しいだけでなく、読み手と共有する時間が楽しいから読んでもらいたく、読むとさらにまた関係が深まっていきます。
「このことから、読み聞かせが人間同士の関係性にも大きく影響することが分かるでしょう。そのため、夫婦間でもぜひ読み聞かせをおすすめしたいです」と竹内さんは言います。
恋愛関係のときはふたりで何をやっても楽しかったカップルも、結婚して共同生活をするようになると、次第にすれ違ってしまうことも。現代は共働きの夫婦も増加しているため、どちらかに頼ってばかりいると、バランス関係は崩れてしまいます。お互いに支え合い、円満な夫婦関係を保つのに、絵本の読み聞かせはいいエッセンスとなるそうです。
読み聞かせを実践している夫婦の気づき
竹内さんは、実際に読み聞かせをしている夫婦の例を教えてくれました。絵本『ねむりひめ』を読んだ夫婦の話です。
「その日は夫が読み手、妻が聞き手でした。妻はこの絵本を何度も子どもに読み聞かせていましたが、その日、初めて聞き手になりました。すると妻は、夫の読み聞かせに耳を傾けながらも、イラストにずっと登場してねむりひめのそばにいるネコが気になって仕方なかったそうです」
「テキストにはネコはひと言も登場しませんから、ネコが絵本に登場していることに気づいていなかったそうです。夫婦は、読み終わってから、そのネコのいいについてふたりで話し合ってみたそうです。そして、親以外に子どもを守ってくれる人が必要だと感じたといいます」
大人でも絵本から感じ、学ぶことは多くあるようです。
読み手は文字を、聞き手は絵を見ていますから、一冊の絵本を読み終わった後にそれぞれ異なったものを感じたり、想像したり、解釈したりして共有します。その共有から短時間でお互いの相違点を知ることができ、まだ知らなかった互いの一面を知ることもできるのでしょう。