ライフスタイル
日本のお正月にあたる米国のクリスマス 生モミの木のツリーを家族で飾る
公開日: / 更新日:
香りは放つ生モミの木でツリー 生の植物を飾って福や幸を祈る
もう一つ、この時期アメリカのファミリーの楽しみ方といえば、クリスマスツリーや家のデコレーションがあります。10月に入ると、普段空き地になっている場所や、大きな駐車場の一角にテントが張られ、ハロウィン用にたくさんの形や色のパンプキンが売りだされます。パンプキンの時期が終わり、11月も半ばになると今度はその場所に生クリスマスツリーが所狭しと並び、たくさんの家族が生木を選びにやってきます。車の上にひもで結び付けてツリーを持ち帰る様子を初めて見たときには、アメリカ映画の中で見た光景だと感動したものです。生クリスマスツリーは生花と同じように農園で育てられ、幹の下の部分からカットされ、トラックで運ばれます。
しめ縄や門松も同様ですが、季節の節目に贅沢に生の植物を使い家を飾りつけ、福や幸を祈るという風習はここアメリカでも感じることができます。それぞれの家庭で家のサイズや好みの木によって、選ぶものが違ってきますが、我が家はモミの木の中でも香りが高いものを毎年選んでいます。モミの木を選び支払いを済ませた後、水の吸い上げをよくしてもらうために、木の幹の一番下の部分をカットしてもらい、トラックの荷台に積んで家へ運びます。生木を選ぶ家庭でそれぞれ必ず持っているものが、木を固定してお水を溜めておく大きなクリスマスツリースタンドです。木を活け、固定するためのものですが、ツリーともなると、毎日1リットル近くもの水を吸い上げます。このスタンドのおかげで1か月以上もの間、モミの木は生き生きと呼吸と光合成を繰り返し、さわやかな香りを放ってくれます。
ツリーを立てた後は、いよいよメインイベントの飾りつけです。パパがライトをぐるりと巻いたなら、子供たちがそれぞれに、好きな形、色のオーナメントを吊り下げていきます。成長記念に、オーナメントボールにそれぞれ子供達の手形をつけて、プレゼントしてくださる学校の先生方もいらっしゃいます。我が家では、生木を買うときにお店の人から剪定の際に切り落とした枝を分けていただき、クラフトの一環として家の前に飾るリースも毎年子供と一緒に作っています。リースに飾る松ぼっくりを公園に拾いに行くと、袋を持って大きな松の木の下に親子がちらほら。皆、同じようにお家で工作をするのでしょう。冬眠に入るリスとのナッツ争いもこの時期の楽しみです。