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目覚めよ、“恋する遺伝子” 今話題のDNA婚活とは
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近年注目のDNA婚活 収入や容姿などの条件ではない新しいマッチング方法
最近よく耳にする「DNA婚活」。遺伝子レベルで結婚相手を探すサービスで、5~6年ほど前からスイスや米国で注目され、日本でも大手結婚情報サービス会社を含め数社が展開しています。収入・容姿などの条件でなく、遺伝子で相手を見つける時代に突入?Hint-Pot編集部では、このほど都内で開催されたDNA婚活パーティーイベントを取材してきました。
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参加者は30~40代の男性15人、女性13人。席に着くと、みなさん真剣な表情で、周囲の参加者の顔よりもまず資料に目を通していたのが印象的でした。今回のイベントは、簡易的な遺伝子検査での婚活パーティーで、事前に提供した毛髪から遺伝子検査が行われ、「パーソナル診断結果報告書」として配布。遺伝子特性で生まれつき備わった資質を8つのタイプに分類し、その結果が載っているものでした。
イベント冒頭には、DNAマッチング監修者の医道メディカル代表の陰山康成医師によるセミナーが行われました。陰山医師によると「ピンときた」など本能で相手の魅力を感じとるのは、DNAの中にある「HLA遺伝子」によるもので、「HLA遺伝子」とは、白血球の血液型とのこと。一般的に血液型といえばABOですが、こちらは赤血球の型のことで、白血球のHLAの型は数万通りもあるそうです。そしてこのHLAの型が似ていない男女ほど異性としての相性が良いとされています。今回のイベントは簡易的な検査のため、HLA遺伝子ではなかったのですが、参加者のみなさんは興味津々に耳を傾けていました。
陰山医師は、HLA遺伝子の研究のひとつとして、男女約100人を対象にスイスで行われた「Tシャツ実験」の概要を説明しました。実験は、汗や食べ物などの影響を受けない環境で男性が2晩着たTシャツの匂いを女性に嗅いでもらい、どう感じるかを答えてもらうというもの。その結果、女性は、自分と型が似ていない男性の匂いほど魅力を感じ、ひきつけられることが分かったというのです。
HLAは、匂いの識別や防衛本能、免疫と関連していて、文字通り、相手を「嗅ぎ分ける」機能を持つ遺伝子です。人は、HLA遺伝子の違いを匂いとして感じ取るそうです。さらに「HLA 遺伝子の型が似ていない人同士が結婚すると、免疫の強い子が産まれやすいとも言われています」と陰山医師。そういうことから「直感的に、自分のHLA 遺伝子と離れた人ほど魅力があると感じ、恋に落ちる傾向がある。まさに“恋の遺伝子”です」と説明します。
「なぜかわからないけど、彼の匂いを嗅ぐと落ち着く」とか「初対面なのに、なぜか居心地がいい」という経験があれば、それは“恋する遺伝子”が目覚めたと言えるのでしょう。