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仕事・人生

ゆとり世代の美人女将に学ぶワークライフハーモニー

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・白石 あゆみ

1階のカウンターには日によって変わる大皿料理が並ぶ、昔ながらの小料理屋スタイル【写真:Hint-Pot編集】
1階のカウンターには日によって変わる大皿料理が並ぶ、昔ながらの小料理屋スタイル【写真:Hint-Pot編集】

28歳で開業を決意! 開店までは波乱万丈の日々

 ケータリング会社で3年ほど働き、和・洋・中の基本や、ホームパーティから数百人規模の立食パーティまで、さまざまなスタイルの調理を学んだ片岡さんは、28歳のとき自分のお店を持つことを決意する。気持ちが固まると同時に、開店に向けて会社は退職。大学時代の友人・藤田奈津子さんとともに、まずは法人化することから始めた。そして、物件探しの日々。しかし、起業経験のない20代女性のふたりに対し、世間の風は冷たい。やっと決まったと思った物件も、工事を目前に話が白紙に戻ってしまうこともあった。

「物件探しを始めて10か月。一度物件が決まりかけたのに、話がとん挫したときはさすがに泣きました。それでも藤田とふたりだったから腐ることもなく、毎日何件もの不動産屋に足を運び続けましたね。それと飲食店を経営されている方にお話しをお聞きしたり、お店の構想を深めるためにインテリアショップなどを見に行ったり。そうして、不動産オーナーさんに見せる資料の精度を上げていきました。これらのやり方も私がフードスタイリストのアシスタント時代に身についたことだと思います」

 物件探しがイチからやり直しになってしまったが、運よくその1か月後に現在のお店がある物件に出合った。しかし、またも大問題が発生。もともと不動産会社のオフィスだったので、ガスも十分な電気も通っておらず、飲食店を開業するための設備がなにひとつないという。

「“飲食店なんて絶対にひらけないよ”とたくさんの方に言われましたが、この場所に入った瞬間、自分がどんなお店をやりたいか、初めて鮮明なイメージがわいたんです。大変なのはわかっていましたが、とにかくここで開きたい!という気持ちが勝りました」

 基礎工事費用の交渉や、工事のやり直し、内装家具の予算削減など、その後もたくさんの壁にぶつかりながらも、着実に進行。当初は29歳の年の3月にオープンを予定していたが、3か月遅れとなった6月に念願のオープンを果たした。

「苦労した分、すべて勉強になりました。それに、今までやってきたことに意味がなかったことなんてひとつもないと気が付きました。色々と回り道をしてしまいましたが、すべてが今に繋がっていると思います」