カルチャー
「最高なシステムだと思う」 “日本通”なイタリア人が称賛する日本食の定番スタイルとは
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世界で日本の食文化が高評価される理由のひとつは、野菜や発酵食品などを豊富に取り入れた健康的な食事であること。「普通の日本食が好き」というイタリア人は、日本ならではの食の定番スタイルをとても気に入っているようです。いったい、どんな形式のメニューなのでしょうか。
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「ラーメンや餃子というのは、観光客にとってはいいけど…」
昭和の時代には当たり前にあった商店街の良さが今も色濃く残り、人気スポットになっている東京・谷中銀座商店街。そこで出会ったのが、2017~2021年に日本で暮らした経験を持つイタリア人ミケレさんと、来日3度目のフランス人アプリケさんのカップルです。
今回は2か月半の滞在予定で、かつて日本で生活していたミケレさんは、「日本に住んでいたときは会社から近いカレー屋さんによく行っていたんだけど、昔ながらのカレー屋さん。でもそれが本当においしいんだ」と語り、アプリケさんは「ミケレは、カレーはそこのしか食べないのよ」と明かしてくれました。
「スペシャルな食事より、普通の日本人が食べるような食事が好き」というふたり。昨今、外国人観光客の間では日本のラーメン人気が根強いですが、アプリケさんは「ラーメンや餃子というのは、観光客にとってはいいけど、私たちはもういいかな。ヨーロッパにもあるものだし」と話します。
アプリケさんが和菓子や豆腐にハマっていたり、ミケレさんが刺身のおいしさを語ったり、日本食とかなり相性がいいようです。
そして、ミケレさんはメニューとして「日本の定食というのは最高のシステムだと思う」と絶賛します。
メインのおかずに、ごはんやみそ汁、小鉢などがセットになった定食。日本人にはおなじみのメニューですが、主菜や副菜、ごはん、汁物の組み合わせは、ミケレさんから見て“システムとして”優れているというのです。
栄養バランスがいい健康的な食事の基本は、できるだけ多くの食材を使い、さまざまな栄養素を摂取するのがいいとされています。
昔から日本で大切にされている、一汁三菜の食文化に準ずる構成になっていることも多い定食。メインの主菜に加えて、栄養バランスを補う小鉢や付け合わせ、汁物のほか、発酵食品の漬け物が添えられることも多く、確かに複数の食材や栄養素を一度の食事でとることに適したシステムといえそうです。
私たちになじみ深い日本食の良さを理解し、心から楽しんでいるふたり。これからもたくさん、日本での食事を満喫してくださいね。
(Hint-Pot編集部)