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スペイン人「最も感銘」 五輪で記憶に残った日本の金メダリストは 「無課金おじさん」に匹敵のインパクト
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日本が金メダル20個を獲得する活躍を見せたパリ五輪は列島を感動で包み、余韻が続いています。それは、日本を訪れている外国人観光客も例外ではありません。彼らにとって印象に残ったシーンは何だったのでしょうか。スペイン・バレンシアから来た親子3人に詳しい話を聞きました。
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「この五輪では印象的な出来事が起こった」
台風7号が接近した16日、雨雲に覆われた東京・渋谷駅でひときわ目立っていたのは、15歳のルカ君です。長身で読売ジャイアンツのビジター用ユニホームを着用。聞けばバスケットボールをプレーしていたそうで、父シモンさん、母ダニアさんと5日前に日本に到着しました。
大阪、京都、高山、箱根と有名スポットを回り、東京へ。アニメの街・秋葉原などを観光し、「日本は大好きです」(ルカ君)「とても印象的です」(ダニアさん)と口をそろえました。バレンシアは「パエリア」発祥の地で、日本にとってもなじみ深い土地です。
そんな家族はパリ五輪もテレビで「たくさん観戦」したと言います。国籍を問わず、最も記憶に残った選手を聞くと、ダニアさんは「この五輪では印象的な出来事が起こったと思います」と前置きしつつ、1人の選手の名前を挙げました。
「トルコ出身の男性です。彼は他に何も持たずにそこにいて、撃ち、すべてを行いました」
日本でも話題になった射撃混合エアピストルの「無課金おじさん」ことユスフ・ディケッチ(トルコ)に強い衝撃を受けたそう。他の選手がハイテクな装備で身を固める中、Tシャツ姿で左手をポケットに突っ込んだまま、狙いすました射撃を披露。カジュアルな格好とすご腕の“ギャップ”で世界をあっと言わせ、銀メダルを獲得しました。
一方で、シモンさんは日本人選手にも注目。
「名前は覚えていないけれど、ブレイキンに出場した日本の女性選手に最も感銘を受けました。彼女はとても上手に踊ります。頭をフロアにつけてくるくるスピンするんです。あれは楽しかったですね。生では初めて見ました」と振り返りました。
パリ五輪で新競技として実施されたブレイキン。DJの音楽に乗って1対1でダンスを行い、技術や完成度を競いました。
初代女王に輝いたのは、世界選手権を2度制覇している湯浅亜実(AMI)です。リトアニア選手との決勝では、華やかなムーブ、流れるようなフットワークで魅了。ディケッチ同様、雰囲気は自然体で、金色の鼻ピアスも光った25歳は、「いい意味でプレッシャーを全く感じなくて」と強心臓ぶりも発揮しました。あまりのテクニックに即興を求められることもたびたびで、帰国後に首相官邸を表敬訪問した際にはスポーツ庁の室伏広治長官からの“むちゃぶり”が物議を醸しました。
ダニアさんは、他の日本人選手について、「スポーツクライミングとレスリングもよかったです」と笑顔。
なお、スペインは男子サッカー決勝で開催国のフランスを破るなどして5個の金メダルを獲得しています。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)