話題
「とても手作りとは…」「お母様、凄すぎ」 来年80歳を迎える母の手作り服にネット感動
公開日: / 更新日:
我が子へのプレゼントは、いつの時代も親からの愛情であふれているもの。現在では既製品を買うのが一般的な洋服ですが、昭和の時代にはお店で生地を購入し自らミシンで仕立てるということも珍しくありませんでした。高齢の母親が長年かけて作ってくれたという大量の洋服に、ネット上で感動の声が広がっています。出来栄えは既製品顔負けでありながら、どれも世界に一つだけの特別な一着。話題を呼んだ投稿について、和裁教室を営む宮西ちはる(@KimonoNuibito)さんに話を聞きました。
◇ ◇ ◇
昭和40年代から令和まで作り続けた洋服のうち、70着あまりを公開
「来年80歳を迎える母が、私に作ってくれた服を数えたら、何枚になるんだろう…私は51歳を迎え、そろそろ、さよならしようと思って写真を撮ったので見て欲しい!! コスプレ界隈に見てもらえるかな~」
今月10日、SNS上に投稿された写真には、長い間大切に着られたり保管されたりしてきた、色とりどりのすてきな洋裁70着あまりが収められています。投稿は1.7万件のリポスト、20万件の“いいね”を集めるなど大きな話題に。「お母様、凄すぎます。なかなかこうはできないですよ」「めちゃくちゃ素敵な服で感動しました 本を見て、自分で服を作れるって、豊かですね」「どの服もおしゃれで素敵すぎてとても手作りとは思えません!! 良いデザインは何十年経っても色褪せないものですね」「丁寧なお仕事ってこんなのを言うんだろうな」と感動の声が多数寄せられています。
和裁学校卒業後、呉服屋を経て独立し、現在は個人客のみ対応の和裁職人をしているという宮西さん。続く投稿では「本を見て、型を決めて、生地を買いに行くこともあったのですが、多くは、先に田舎の生地屋さん…昔は、近所にあったのよ…に生地を買いに行き、好きなものを選び、その後、本を見て、作ってほしい服を選ぶ、というのが物心ついた時からの服の選び方でした。今思えば、すごく贅沢だったですね」と当時の思い出を振り返っています。
投稿者の母は13歳のときに父を亡くし、貧しいながらも洋服が好きで、買えないなら自分で作ろうと洋裁教室に通ったそう。投稿では「夫(つまり私の父)にも恵まれなかったので、母ひとりで私を育ててくれました」「昭和40年代、香川のド田舎の洋裁教室で学んでから、令和の今まで、自分の服、私の服を楽しそうに作り続けています。100歳まで作り続けて欲しい!」と女手ひとつで育ててくれた母への感謝の思いも綴られています。
今回、大量の服を投稿した経緯について「母がしょっちゅう服や鞄を作っているので、保管しておくのも大変で……好きだった服はなかなか捨てられないので、どうしたものかと悩んでいたときに、写真を撮って処分するという方法を知って、捨てる前にみんなに見ていただこうと」と宮西さん。
一連の反響については「正直びっくりしています。また、反対に私の方が気付かされたこともありました。手作りの服を着られるということが、今では貴重なことなんだということ。そして、母の技術ってすごいんだということ。ありがたいことだと感謝はしていましたが、子どもの頃からの日常すぎて、これほどだとは思いもしませんでした。母には、趣味のものづくりをずっと楽しんでいてほしいと思っています」と話しています。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)