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「日本は旅行するには最高ですが…」 イタリア人が初めての日本で違和感を覚えた光景とは
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日本を訪れたことがある外国人は、どんなところに日本の魅力を感じているのでしょうか。日本語を学んで13年というイタリア人女性は、実際に日本へ来て、想像を超える素晴らしさに感動したといいます。その一方で、「旅行するには最高」だけれど違和感を覚えた点も。いったい、どんなところなのでしょうか。
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日本人が営む書道教室で日本語を学んだカリンさん
イタリア中部の都市・ペルージャで暮らしているカリンさんは、日本語を学んで13年になります。日本語の勉強を始めたきっかけは、書道に興味を抱いたことでした。
「昔から、古代エジプトで使われていた文字・ヒエログリフなどを自分で研究していて、象徴的な象形文字である漢字に興味を持ちました。そこでまず、日本人の方が営んでいるペルージャの書道教室で習い始めたんです」
先生から日本語を学び始めて、ひらがな、カタカナ、漢字を600字以上覚えたというカリンさん。日本語能力試験を受けたところ、残念ながら3点足らず不合格でしたが、日本へ行って日本語が通用するのか試してみることにしました。
「2015年、40歳の誕生日に私は自分へのプレゼントとして、ひとりで日本を旅行しました。期間は3週間。8月の終わりから9月中旬までだったのですが、湿気が多く暑かったですね。髪の毛が常に濡れているような感覚で、気候に驚きました」
日本へ実際に来てみると、イメージしていたのとはまったく違うことも多く、とても感動したといいます。
「体験してみると、想像よりはるかに魅力的な国だと感じました」
「日本は旅行するには最高」と思う一方で違和感を覚える瞬間も
日本では、京都、東京、成田を観光したカリンさん。古いものと現代的なテクノロジーが共存しているところが多く、妙な感じとともにおもしろさも覚えました。
「とくに交通機関が発達していて、電車や地下鉄の時間が正確で、清潔なことに驚きました。そして、イタリアはその点が日本よりも相当遅れていると感じました」
近代的でありながら、歴史を感じる寺社など、伝統も大切にしている日本にすっかり魅了された様子。カリンさんは「明日にでもまた日本へ行きたい」と話しますが、少々気になった面もあるといいます。
「日本は旅行するには最高ですが、“硬さ”が私には窮屈に感じました。よく見ていると、人々はあまりにも規則を厳守していて、みんなが右に行けば右に、左に行けば左というように、非常にきれいですべてが整いすぎています。でも、夜になると、酔いすぎた人を見かけて、その差が不思議でした」
カリンさんの言うように、日本には守らなければいけない公共のマナーがたくさんあります。それは日本の美徳である一方で、電車内では大きな声で話さない、整列乗車を心がけるなど、訪日外国人観光客が戸惑うルールも少なくありません。
日本の良いところとイタリアの良いところ。お互いの良い面をそれぞれ取り入れ合っていけば、グローバル化に対応したより良い社会を作っていくことができそうですね。
(Hint-Pot編集部)