寂しい気持ちを隠し切れなかった心和ちゃん

　健気に飼い主さんを待っていたのは、サモエドで13歳の「心和（ここわ）」ちゃん。好き嫌いがはっきりしている、自分の気持ちに正直な女の子です。

　ある日、実家へ遊びに来ていた飼い主さんは庭で写真を撮ろうと、心和ちゃんを連れて外に出ました。しかし、敷地内のガレージに来たところで、肝心のスマートフォンを忘れてしまったことに気づきます。

　心和ちゃんに「ちょっと待っていてね」と声をかけ、飼い主さんはひとりで引き返します。2分ほどで戻ると、そこには、体勢を変えずに待ち続ける心和ちゃんの姿がありました。

「心和が歳を取るにつれて私を追うようになったので、すごく寂しかったと思います。『寂しいけど、“ママ”から待っててと言われたし……』と、葛藤していたのかもしれません」

　スマホを持って戻った飼い主さんは、泣き出しそうな顔で待っていた心和ちゃんを抱きしめました。これで心和ちゃんもひと安心……と思いきや、思いがけない反応を見せたようです。

「心和が、私の腕に力いっぱい顔をうずめてきました。私も愛情表現をしたら、しつこすぎたのか少し怒っていました（笑）」

　その後、飼い主さんは心和ちゃんと一緒に、実家の近所に住む弟さんの家まで散歩したそう。その間、心和ちゃんはずっとシッポを立ててご機嫌だったといいます。

普段は天真爛漫　周りを和ませてくれる親しみやすさが魅力的

　ずっとサモエドとの暮らしを考えていた飼い主さん。ご縁があって心和ちゃんをお迎えし、穏やかな日々を過ごしています。素敵なお名前には、飼い主さんのある思いが込められているそうです。

「『心和』という名前は、心和と関わるみんなの心がなごむようにという願いをこめてつけました』」

　大切に育てられた心和ちゃんは、天真爛漫でまっすぐな子に成長しました。13歳になり、寝ていることが増えたそうですが、かわいらしさはずっと変わらないまま。これからも飼い主さんと一緒に、幸せいっぱいな時間を過ごしてほしいですね。

○取材協力：サモエド心和 13歳 愛されるのがお仕事（@bobobon_wacchan）さん

（Hint-Pot編集部）