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出合いたくないゴキブリ、アリ、ムカデ…「活動が活発になる前に」やっておきたい プロがすすめる4つの対策とは
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まだまだ寒さが強い時期ですが、暦の上で3月5日は啓蟄。「土の中で縮こまっていた虫(蟄)が穴を開いて(啓いて)動き出す日」とされています。春は待ち遠しいですが、害虫には出合いたくないもの。暖かくなる前にやっておくといい対策は、あるのでしょうか。家庭で悩みの種になる代表的な害虫や、今のうちから備えられる対処法について、害虫駆除も手がける株式会社ダスキン ターミニックス事業部サービス開発室の原田曜男(はらだ・てるお)さんに、詳しいお話を伺いました。
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4種類の害虫とその特徴
これから気温が上がるにつれ、害虫の発生が気になる季節です。原田さんは、都市部の住宅でも、見かける害虫は少なくないといいます。
「よく家庭で見かける害虫としては、クロゴキブリ、アリ。場所によっては、ムカデを挙げる人もいます。そのほか、暖かくなると川の近くなどで『蚊柱』と呼ばれる群れを作る、ユスリカを目にする方もいるでしょう」

それぞれどんな特徴があるのか、原田さんに説明してもらいました。
○クロゴキブリ
行動範囲が広く、野外からも家屋に侵入するクロゴキブリ。寒さには比較的強いですが、冬場は活動が鈍ります。キッチンや積み上げられた段ボール、新聞紙・雑誌の隙間、観葉植物の皿の下など、湿気が高くて暖かい場所に卵を産む傾向が。家の中で卵を産ませないために、まずゴキブリを家に侵入させないよう対策することが最も大切です。
○アリ
分類上ではハチの仲間に分類され、日本だけでも280種類以上が確認されています。体長は1~12ミリ程度と種類によって幅があり、黒色だけではなく、赤茶や茶などの体色を持つものも。湿り気のある木に穴を開けて巣を作るものや、家電製品や自動車の中に侵入し、巣を作るものもいます。
家屋に被害を与えるシロアリは、別の仲間の昆虫です。アリのなかには、このシロアリを食べるものもいます。
○ムカデ
漢字で「百足」と書かれる通り、脚の数が多いのが特徴。ムカデに咬まれると、直後に激しい痛みがあり、赤くなったあとに腫れ上がります。痛みは激しいものの、重篤状態となることはほとんどありません。また、しびれやかゆみを伴う場合もあります。
ムカデが好むのは、ゴキブリやクモなどのエサになる昆虫がいて湿度が高く、暗くて狭い場所。そのため、畑、沼、森林でよく発生します。日中は土の中、落ち葉の下、朽ちた木の中、石垣の隙間などに生息していますが、夜行性なので日が暮れると活発になり、エサを求めて人家に侵入します。
○ユスリカ
体長1~10ミリ程度のユスリカは、蚊によく似た姿をしています。成虫が発生するのは、主に初夏(4~7月)から秋の終わり頃(11~12月上旬)まで。交尾をする際に群れになって飛び回り、群飛行動(蚊柱)するのが特徴です。
一般的な蚊のように人間の皮膚を刺したり、吸血したりすることはありませんが、アレルゲンを持つ虫の一種です。そのため、成体のユスリカが目や口に飛び込んできたり、風化したユスリカの死骸を吸い込んだりすることで、アレルギー性の鼻炎や、呼吸器疾患である「ユスリカ喘息」などを引き起こす場合があります。
そんなユスリカの室内侵入防止には、屋外に面した窓や扉を開けっぱなしにしないことが大切。また、虫除けスプレーが効果的です。窓や網戸に噴きつけることで、ユスリカの侵入を減らせます。
水や泥が溜まった場所は、ユスリカの幼虫が生息しやすい環境です。用水路や側溝はこまめに掃除し、水や泥が溜まらないようにしましょう。一般的な蚊も、置かれたままのバケツや植木鉢の受け皿などに産卵しますので、水が溜まらないよう日々チェックすることが大切です。