訪日外国人を感動させるもののひとつが、独自の進化を遂げた豊かな食文化です。母国では味わえない、おいしい日本食に夢中になる人は少なくありません。外国人観光客に日本食を体験してもらいながら、日本の印象をインタビューするYouTubeチャンネル「日本食冒険記Tokyo Food Adventures」。スペインから来た3人は、挑戦的な一品に出会いました。普段はあまり食べないけれど、思わず笑顔になったものとはなんだったのでしょうか。

　◇　◇　◇

帰国前日に和牛との出合い

　スペイン出身のアナさん、ネイルズさん、ジュリさん。アナさんは日本に住んでいて、スペインから来た2人と一緒に観光を楽しんでいました。

　旅の締めくくりに、3人はDaisukeさんの案内で和牛を食べに行くことになりました。店に入ると、ショーケースには美しいサシの入った和牛が並んでいます。その光景を目にした瞬間、ネイルズさんは「オーマイガー！」と思わず声を上げました。

　　その感嘆の声に、Daisukeさんは笑顔で説明を始めます。「和牛といっても、いろいろな産地と種類の牛肉があるんだよ」と教えると「すごい!!　部位もたくさんあるのね」と、日本に住んでいるアナさんでさえ、和牛の多彩な味わい方に驚いている様子です。

生肉への挑戦　不安から感動へ

　テーブルに運ばれてきた和牛料理の数々。そのなかから、まずは和牛のユッケを食べることになりました。ジュリさんは牛肉が大好きだといいますが、生の牛肉は初めての体験です。日本で提供されるユッケは、食品衛生法により厳しい基準が設けられており、多くの店では安全性を高めるため低温調理などの処理が施されています。

　Daisukeさんは「完全な生肉ではなく、低温調理されていると思う！　店で完全に生の牛肉を提供するのは難しいはずだから！」と、不安を和らげるように丁寧に説明しました。

　それでも、やや不安げな表情を見せるジュリさん。しかし、意を決してひとくち口に運ぶと、その表情が一変しました。「とってもおいしいよ。肉々しけど甘みもあってすごく良いね！」「和牛の生肉、気に入った」と、驚きと喜びが混じった表情で言葉を続けます。

　ネイルズさんもおそるおそる口に運びます。そして、ひとくち味わった瞬間、「すごくおいしいわね!」と表情がほころびました。

「実は普段、牛肉をあまり食べないの(笑)」と明かすネイルズさん。「牛肉は苦手でスペインでは食べなくて。でも、このユッケは素晴らしい」と絶賛します。

　日本で暮らすアナさんも、実はユッケは初体験だったといいます。箸を進めながら、「とてもやわらかい肉ね！　すごいわ！」と、その食感と味わいに感動しました。

　動画のコメント欄には「おいしい和牛を堪能できて良かったですね」「ユッケが一番勇気が必要だったろうし、日頃から牛肉を食べない女の子が心配だったけれど、頑張って我慢して食べている感じでもなく楽しく食べてくれて良かった」「素直な反応が素晴らしい」といった声が寄せられています。

（Hint-Pot編集部）