愛犬は、飼い主の心の変化を敏感に感じ取ります。大切な人を失った悲しみで涙が止まらない日々のなか、そっと寄り添ってくれる愛犬の存在は、どれほど心強いでしょうか。X（ツイッター）で話題になっているのは、泣いている飼い主を心配して、自分の大切なものを差し出すマルチーズです。投稿について、飼い主のにこまる（@6yQgZFNMNk76215）さんにお話を伺いました。

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泣いている飼い主さんを気遣ういぬ

「泣いてたら鼻がでるから、チーンしてたら、ママ寒いのかなって思ったのかな　ってきてくれて、貸してくれた」

　そんなコメントとともに投稿された2枚の写真には、唐草模様のちゃんちゃんこをくわえたマルチーズが写っています。いぬの名前は「笑（にこ）」くん。とても優しい6歳の男の子です。みんなを笑顔にしてくれることから、飼い主さんはこの名前をつけました。

　当時、大切なお姉さんを突然亡くし、深い悲しみの中にいたという飼い主さん。涙が止まらない日々のなかで、にこくんは泣く飼い主さんのそばにそっと寄り添い、大切なちゃんちゃんこを差し出していたのです。

　投稿には、8000件以上もの“いいね”が寄せられました。また、リプライ（返信）には「にこたんは本当にママ思いの優しい子ですね。ママのこと守ってあげてね」「にこちゃん優しい。ママの一番の味方」「写真から優しさが伝わる」など、感動の声が上がっています。

「変化に誰よりも敏感に感じとってくれます」

　幼い頃にお母さんを亡くし、お姉さんとふたりで力を合わせてきたという飼い主さん。お姉さんは、にこくんが赤ちゃんのときから、とてもとても大切にしてくれていたといいます。

「にこにはなんでも話しているから。日々の私の心身の変化に誰よりも敏感に感じとってくれます」

　にこくんが持ってきてくれたのは、お気に入りのちゃんちゃんこです。飼い主さんは、そのときのにこくんの心境について、「僕がいるよ」という気持ちだったのではないかと推察します。

　飼い主さんは、気遣うにこくんに「にこ、ありがとう」と感謝を伝え、抱きしめたそう。すると今度は大切なおもちゃを運んできて、飼い主さんに貸してくれたといいます。

　さらに、にこくんは、飼い主さんの横に体をくっつけて温めてくれました。涙をペロペロとなめてくれ、飼い主さんはとても慰められたに違いありません。